書籍・雑誌

2018年1月16日 (火)

道徳の時間(呉勝浩さん)を読んだ。江戸川乱歩省選考会が大紛糾したという作品(でも文庫版は大幅書き直し)

紛糾したというオリジナルも読んでみたかった感じですが、発表されたこの作品ではどこが紛糾したかわからないくらいに面白い作品に仕上がっています。
あらすじは、
「舞台はある関西の町。有名陶芸家の死亡現場で、「道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?」という落書きが見つかる。一方、過去にこの町の小学校で有名な教育者が講演中に殺され、殺した男はただ「これは道徳の問題なのです」とのみ語り、その他何も語らず刑が確定する。ビデオジャーナリストの伏見は、その小学校で起きた事件のドキュメンタリの撮影のオファーを受けるが、、、2つの事件は関連するのか?」
というもの。
これはミステリだけど、過去の小学校の話が動機が見たことないようなものでした。フーダニットもハウダニットもわかっているが、ホワイダニットがわからないという。
現在の陶芸家の方はよりミステリらしい結末に。

2018年1月 9日 (火)

「闇に香る嘘」を読んだ。失明している主人公の前で何が行われていたのか?と中国残留孤児の問題を取り扱った興味深い作品。

第60回江戸川乱歩賞受賞作。
あらすじは「若くして失明した村上和久。孫娘が腎臓に重大な病気を抱えており、腎臓移植をしようとしたが適さないほど自身も腎臓が悪かった。なんとか孫娘の役に立とうと兄の竜彦を頼るが、移植どころか検査も断られる。兄は27年前、中国残留孤児として帰国していたがその時から和久は失明しており、姿を確認できなかった。兄は本当に兄なのか?疑いを抱いた和久は自ら調べ出すが、さまざまな妨害にあう。」
というもの。
見えない周りで一体何が行われていたのか、そして兄は本当に兄なのか?という真相は全然予想と違ったものでした。これはびっくり。もっと殺伐としたお話なのかと思ったら実はしみじみいいお話だった!(これはネタバレか?)
ミステリには最近あんまりなかった読後がすがすがしい感じ(でも前半はめちゃくちゃサスペンス感ある)。

2018年1月 6日 (土)

「人間の顔は食べづらい」(白井智之さん)を読んだ。クローン人間が食用になった世界でのミステリ。

この前、「屍人荘の殺人」を読んだ時もあまりの特殊状況でのミステリに驚いたけれど、この「人間の顔は食べづらい」も負けず劣らずの特殊状況。
あらすじは、
「ある病気が蔓延したために、食用の動物の肉が食べられなくなった世界。栄養を補うために食用クローン人間を育てることが合法化された!(こんな設定よく思いつくな)お客さんへは首を切り落とした体だけが届けられる。クローン施設で働く和志は首を切り落とす仕事をしていた。ある日、首なしで発送したはずのクローン人間から、生首が発見された!一体その真相は?」
というもの。途中でなんとなくそうかなー、と思ったけれど推理がどんどん覆って変わっていって、やっぱ違うかなー、と思ったらそうだった!章ごとに書き手が違うのは気をつけろ、といういつものやつ。これはなかなか面白かった。
文庫には書き下ろしの三島由紀夫ならぬ由島三紀夫(探偵役?)ノートが付いています。これもなかなか恐ろしい話。。。

 


2018年1月 5日 (金)

「悪いものが来ませんように」(芦沢央さん)を読んだ。後半の真相を見てえ!っと前半を読み直す。。。確かに引っかかっていたところの意味が分かる。。。

前半を読んだ時、なんか表現がおかしいなあ、でもまあそういう書き方をすることもあるか、とスルーしてました。しかし、後半で真相を読んでもう一回読み直すと確かにそうとしか取れない表現になってた!これはなかなかすごいです。

あらすじは、「助産院に勤める紗英は、不妊と夫の浮気に悩んでいた。彼女の唯一のよりどころは子供のころから最も近しい存在の奈津子だった。育児中の奈津子にも悩みがあり、母や夫、社会となじめず紗英を支えにしていた。そんな2人の関係が恐ろしい事件を生む。」

というもの。もうこのあらすじだけでおかしなことが書かれているが、これに初読では気づけない。。。

オムツくらいからあれ?と思い出してファミレスからあれあれ?と思って夫の両親への挨拶であれあれあれ?と思ったけれど真相は見抜けなかった。。。

2017年12月20日 (水)

「生きている理由」(松岡圭祐さん)を読んだ。川島芳子の少女時代を大胆に小説家。え?山家亨って実在するの!

最近、人の死なないミステリから、日本人があまり知らない日本の歴史もの小説へと作風をチェンジさせられている松岡圭祐さんの新作を読んだ。
今回は男装の麗人、川島芳子の少女時代を描いたもの。
で、芳子が慕う軍人の山家亨、これはさすがに小説オリジナルだろう、と思ったら実在。
玩具を進呈する、も実際の話だって!
でもその実際の話を大きく膨らませてサスペンスに仕立てられています。
義父である川島浪速にはずっといらいら、、、
そして義父のせいで男装に、という通説も踏まえうまく理由をつけられている。
実は続編もあるそうです。ただ、ここから山家も芳子も悲劇的な結末に向かうはずなのでどう処理されるんだろう、、、

2017年12月19日 (火)

ずっとあなたが好きでした(歌野晶午さん)を読んだ。恋愛ものの短編集?いや密室殺人ゲームの歌野さんがただの恋愛ものを書かれるはずがなかった。。。

歌野さんが恋愛もの?ということで驚いて早速読んだ。
確かにミステリ要素は多めだけれど恋愛ものだ、、、
「バイト先の女子高生との淡い恋、転校してきた美少女へのときめき、年上劇団員との溺れるような日々、集団自殺の一歩手前で抱いた恋心、、、」
・・・とおもったのは11作目の「女!」の最後の最後まで。
そこで話が一転!え?そうだったの?と最初から読み返す。
で、真相がそのあとの「錦の袋はタイムカプセル」で明らかに。
これはびっくり。ネタバレにならないようにここまでで、、、

2017年12月13日 (水)

「屍人荘の殺人」を読んだ。これはすごいな。ちょっと「生ける屍の死」を思い出した。特殊環境下の本格ミステリ。

これは何を言ってもネタバレになるのであまり書けない、、、がタイトルがそのまま本当に!そういうことになっているという。この一発アイデアで本格ミステリにしたのがすごい!
ありそうでないというか、なさそうでないというか、そもそもこれをやろうとしたのがすごい。
ちょっと生ける屍の死、を思い出したり。屍が一緒、というだけと言えばそうなんですが、
特殊環境下をうまく活かしたミステリになっているという。
第27回 鮎川哲也賞受賞も納得です。
特殊環境下と言えばこれらもお勧め。西澤保彦さんの七回死んだ男、人格転移の殺人など。

2017年12月 8日 (金)

「偶然」の統計学、を読んだ。あり得ないはずの出来事がなぜ起きるのか、を面白く解説した本。

まずアンソニー・ホプキンスのエピソード。出演する映画の原作ペトロフカの少女を買いに出かけたが見つからず、帰りに地下鉄に捨てられているのを見つけた。しかもそれは原作者が昔、友人に貸してなくされたものだと判明!というありえない出来事から始まる興味深い本。
また、ロトで2回連続当てた女性や落雷に何度も見舞われる男性。
このあり得ない出来事が起きるのはなぜか?
それは「あり得なさの原理」と著者が呼ぶもので起きると説明される。
・不可避の法則
・超大数の法則
・選択の法則
・確率てこの法則
・近いは同じの法則
が相まった原理だという。
あり得ないと思ってしまいそうなことがなぜ起きるのかを明確に説明してくれる面白い本でした。

2017年12月 7日 (木)

「京都のアルゴリズム」(岩間一雄さん)を読んだ。京都のトピックに結び付けた面白いアルゴリズム解説本。

どの章も京都のお話からスタートする面白いアルゴリズム本です。
内容もバラエティに富んでいて、例えば
・スケジューリング問題
・動的計画法
・ロッカーゲーム
・入札アルゴリズム
・ページランク
・ビットコイン
・P対NP問題
などなど、をほとんど数式を使わずに解説されています。逆に数式がないので考え込んでしまうのも多かったり。私の知らない話も多かったので参考になりました。

2017年12月 5日 (火)

化石少女(麻耶雄嵩さん)を読んだ。これは最後の最後までもやもや、、、でも最後で、え!という作品。ワトソン役が、、、

京都の名門高校を舞台にしたお話。化石オタクの赤点姫? 神舞まりあとその従僕(お父さんがまりあの父親の会社の社員)桑島彰が学園で起きる何件もの殺人事件を推理するミステリ。

と言えば普通の学園ミステリ?、美少女のまりあが鋭く推理する?と思いきや麻耶雄嵩さんの作品はそんなすんなり終わるわけがない。いくつも殺人事件が起き、まりあが推理するがどれもある理由で不完全燃焼。

で本当の真相が最終話でわかるまで本当にもやもや、、、わかっても別の意味でもやもや、、、これはまた摩耶さんにやられた感があるなあ。

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