Excelで双曲型偏微分方程式を解いてみる(その1) - FTCS編
常微分方程式系もネタ切れになってきたので、偏微分方程式に移行しよう。あんまり難しいのは何なので、まずは双曲型、移流方程式にしよう。しかも徐々にめんどくさいアルゴリズムに拡張することにするシリーズにしよっと。
参考書はいろいろあるけど、手元にあったこれを参考に(著者はCIP法で有名な方)。
方程式は一番簡単な、
∂f/∂t + c∂f/∂x=0
cは定数。答えはf(x,t)=g(x-ct)のような進行波解。こんな簡単なものでも問題が大有りだということが知られている。まずは論より証拠、FTCSスキーム。Forward in Time, Centered in Spaceだ。
χ=c Δt/Δxと置くと、
fn+1(i) = fn(i) + χ(fn(i+1) - fn(i-1)) / 2
と書けば時間は前進差分、空間は中心差分になる。一見これでもよさそうだが、矩形波を初期値としてχ=0.1として解いてみると...(セル入力だけでOK。)
てな具合でどんどん形が崩れて、ぐっちゃぐちゃになる。安定性解析するとすぐわかるんだが、私は非線形のカオスが出てきてどうのこうのより、こんな線形の式を、普通に考えられる差分で計算してこんなことになるってのを最初見て怖くなった。
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