dBの平均と平均のdB
先日も書いたけれど、再度詳しく書いてみる。dBで表される量、たとえばインサーションロスとか考えてみよう。
PdB = 10*log P
とか。で、これを測定値として平均を取るとき、なにも考えずに
(PdB1 + PdB2 + .... + PdBn) / n
を計算する人がいる。でもこれは間違いで、実際は真値のPに直して
10*log ((P1 + P2 + .... + Pn)/n )
とするのが正解。それは
(PdB1 + PdB2 + .... + PdBn) / n = 10 * log{ (P1*P2*...*Pn)^(1/n) }
になってしまって相加相乗の定理により、
(P1 + P2 + .... + Pn)/n ≧ (P1*P2*...*Pn)^(1/n)
で同じ値になるのは測定値が全部同じ場合のみだから。
しかしなぜこういう間違いが多いかというと、これが大きくずれるのは、ばらつきが大きい場合で、ばらつき少なかったら大して変わらない。実際に計算してみた結果がこちら。真値の平均mと標準偏差σの比で平均値がどう変わるかを計算してみたもの↓。
10%くらいだったらどっちの平均もかわらない。てことで注意しない人が多いのでしょう。しかし、ちょっとでもロスを少なくしたい人が間違った計算してたら是非直しましょう。
もちろん、数十%とかでかいばらつきがある測定は論外。
でもこれちゃんと計算で示せるかと思ったらできなかったのでシミュレーションに逃げてしまった。計算力低下もはなはだしい。。。
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