exp(-iωt)とexp(jωt)の違い(物理と工学)の歴史的経緯を知りたい。
先日、なぜWiFiが2.4GHzを使っているのか調べている学生がいるという話を聞いたが、
前々からもっと疑問に思っていることがある。
それは、時間発展を表す方法として、量子力学に代表される物理系は
e-iωtと置く。
例えば時間依存のシュレーディンガー方程式からE=hω/2πで時間に依存しないHφ=Eφを求めるのに使いますよね。Maxwell方程式でも同じ。要するに進行波をexp[i(kx-ωt)]と思っている。
ところが、電気回路に代表される工学系ではなぜか
ejωtと置く。
これは要するに進行波をexp[-j(kx-ωt)]と思っている。
これでインピーダンスがZ=jωLとか、Y=jωCとかかける。
いや、iとjの違いはどうでもいいんですよ。(電気回路は電流にiの記号を使うから、、、という説明がよくある)。
なんで符号が違うのかが問題。
実は、このせいで工学で出てくるが物理的な量の複素誘電率、透磁率の定義が
ε=ε' - j*ε"
μ=μ' - j*μ"
と不自然なマイナスがつくはめに、、、
例えば線形の振動を表す方程式の解は
φ(t ) = A*exp(iωt) + B*exp(-iωt)
なんで、とにかく定義はどっちを取ってもよかったんですよ。なのに、誰かが?最初に別の分野で別の定義を広めたので逆転しているという。
どちらも数学のフーリエ変換から来てるとは思うのですが、逆変換と符号を逆にすればいいだけなのでこれもどっちゃでもいいし。
http://mathworld.wolfram.com/FourierTransform.html
これ、誰が定義してどういう風に広まったか、多分文献を過去にさかのぼればわかるはずなので誰か調べてほしいなあ。2.4GHzよりはよっぽど面白そう。
まあ、意味はないが、、、
しかし対称性の自発的破れみたいなもの(どっちでもよかったが一度一方に転ぶとそちらに行く)と思えば調べる気がある人が出てこないだろうか?
--
と思ったらこの謎が解けてしまった。こちらを参照。
https://sci.tea-nifty.com/blog/2012/11/i-1jexp-itexpjt.html
個人的には大発見ですが、一般的にはどうでもいい。
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