積分記号の中で微分する飛び道具の例その2(ご冗談でしょう、ファインマンさん)。
昨日、積分記号の中で微分する(differentiation under the integral sign)の話を書いたが、
積分記号の中で微分するという道具(ご冗談でしょう、ファインマンさん)って? - Differentiation under the integral sign
ちょうどこの考え方が使える話がTwitterで流れていた。こちら。
https://twitter.com/chibaf/status/346958155986653185/photo/1
”手で計算すると留数計算が必要になるこの定積分の答えを出せるMathematica、どういうアルゴリズムを採用してるんだろう”
という話。
では飛び道具で計算してみる。
補助変数としてtを使い、
F(t) = ∫exp(t*cosθ) cos(t*sinθ)dθ
とする。
dF(t) / dt = ∫exp(t*cosθ) [cosθcos(t*sinθ)-sinθsin(t*sinθ)]dθ
で、ここからがトリッキー
dF(t)/dt=∫(1/t)*(d/dθ)[exp(t*cosθ)sin(t*sinθ)]dθ
= (1/t) *∫d(exp(t*cosθ)sin(t*sinθ))
=exp(t*cosθ)sin(t*sinθ)/t |θ=0~π
=0
これをdF(t)/dt = 0をt=0から1まで積分してみる。すると
F(1) - F(0) = 0
なのでF(1) = F(0)
ところが、F(0) = ∫dθ=πなので結局、
∫exp(cosθ) cos(sinθ)dθ = π (積分範囲は0~π)
となる。ふう、やっと終わった。
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