n次元球の体積・表面積をExcelで計算してみる(GAMMALN関数)
数理科学のある号を読んでいると、学生さんにn次元球の体積にでてくる係数のガンマ関数の物理的意味は?と質問されたという話が書いてあった。でn次元球ってどうやって計算するかを思い出した。
n次元球の体積をVnとすると、Vn=Cn*r^nとかけるはず。表面積はこれを微分したもので、
Sn = n*Cn*r^(n-1).
ここで唐突だが
∫exp(-(x1^2 + x2^2+...+xn^2)) dx1dx2...dxn
を2通りの方法で計算する。(積分範囲は-∞~∞)
一つは、∫exp(-x1^2)dx1 * ∫exp(-x2^2)dx2 *...*∫exp(-xn^2)dxn =(√π)^n
もう一つは、r^2 = x1^2 + x2^2+...+xn^2 と置き、表面積にdrをかけた球殻の体積で積分するような形で計算すると、
∫exp(-r^2) *Sn dr =∫exp(-r^2) * n*Cn*r^(n-1)*drだが、r^2=s(ds=2rdr)と置くとn*Cn*∫s^(n/2-1) exp(-s)ds/2だが、Γ関数の定義から、これはCn = (n/2)*Γ(n/2) = Γ(n/2+1)となる。
なので、Vn = π^(n/2) * r^n / Γ(n/2+1)
Sn = n*π^(n/2) * r^(n-1) /Γ(n/2+1) = 2*π^(n/2) * r^(n-1) /Γ(n/2)
となる。で、これを計算するのに、Excelを使おう。GAMMALNという関数が最初から組み込まれていて、ガンマ関数の対数が簡単に計算できる。
それぞれの係数をプロットしたのがこちら。
これで行くと体積はn=5で最大、表面積はn=7で最大になる。nを整数に限らなければ(フラクタルが出てきてから非整数次元に抵抗がない、、、)
体積は n= 5.256946282, 表面積はn=7.256946337くらいで最大に。
複素数にしたらどうなるんだろうと思ったがそれは別の機会に。
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