がん、脳卒中に引き続き、今回の第3集はうつ病。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/1020/index.html
私のまわりでもうつ病の人はいるし、まったく人ごとではない病気なので興味深く見てました。
以下、いつものようにリアルタイム速記メモ。
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ドイツで行われたうつ病の最新医療。脳に電極を打ち込む、、、恐ろしいが打ち込んだまましゃべったりしている。うつ病には脳の最も古い部分にあることが分かってきたって。
7000万年前、アフリカで誕生した人類。過酷な環境を知性を武器に勝ち抜き、高度な文明を気付いてきた。しかしこの過程で私たちの体には病気の種が埋め込まれてきた。
人はなぜうつ病になるのか?そのメカニズムの解明が動物の研究からわかってきた。魚!
魚もうつ病になる。チンパンジーでは人と同じうつ病になる。防衛本能がうつ病にかかわっている。
しかし、、、アフリカにはうつ病と無縁の人たちもいる。その暮らしが独特であり、それを治療に生かそうとしている人たちもいる。
ここまでがイントロ。
ナビゲーターは、橋爪功さん。日本のうつ病の患者は100万人を超えている。そもそもうつ病ってどんな病気?悲しみ、気持の落ち込み、意欲がわかない状態が2週間以上続くとうつ病と診断される。なぜそうなるの?
ある患者の家庭。奥野さん。7年前にうつ病と診断された42歳。薬の治療が続いている。うわ、めっちゃおおい。抗うつ剤、精神を安定させる薬など。1日40錠近く飲んでいるときもあった。IT関連の会社で営業をしていた。大きなプロジェクトを任され重圧からうつ病を発症。会社もやめた。
最近の研究で、脳に原因があることが分かってきた。奥野さんの脳の構造を詳しく調べる。異変が起きている場所が見つかった。軽度に脳の一部が委縮している。CTの映像で白い部分が多かった。原因は、脳の奥深くにある扁桃体(へんとうたい)。扁桃体が活動すると、恐怖・不安・悲しみの感情が生まれる。うつ病になると強く活動する扁桃体。これは生物の進化で重要なやくわり。
5億2千万年前という太古に誕生した魚。体は小さく、かよわい。しかし画期的な仕組みが備わった。それが脳!
節足動物では神経が体の各部に分散していただけだった。脳には天敵から身を守る仕組みがそなわった。それが扁桃体。天敵が来るとストレスホルモンが活性化する。それで運動能力を高め、すばやく危険から逃げる。逃げられればストレスホルモンを減らす。
魚を使ったうつ病の研究からわかってきた。ゼブラフィッシュをうつ病の状態にした。
正常なゼブラフィッシュは自由に泳ぎ回るが、うつ状態のゼブラフィッシュは動かない。。。
自然界ではありえない状況、水槽に天敵を入れるという状態を1カ月間続けた。初めは逃げ回っていたが、ある時期を境にうつ状態に。ストレスホルモンが大量に出続けた。
奥野さんもストレスホルモンが極めて高かった。この高い状態が続くと、脳の神経細胞がダメージを受ける。情報伝達する場所の障害が起きる。
強い不安が続くと扁桃体が過剰に働き、全身にストレスホルモンがいきわたる。脳にももどって栄養をいきわたらなくするということ。これが悪循環になっている。
扁桃体はもともと敵から逃れるために獲得したのに、皮肉なもの。。。
哺乳類が生まれた時代には扁桃体は天敵以外にも反応するようになった。天敵以外とは?
場面変わってアメリカのチンパンジー保護施設。自然環境に近い状況で飼育、行動を観察している。その中でほとんど動かず、様子がおかしいチンパンジーが。ネグラというメス。
一日中座って仲間ともかかわらない。研究者はネグラをうつ病と診断している。まるで幽霊のようと。彼女は以前特殊な環境で暮らしていた。チンパンジーは高度な集団社会を作っている。子育ても集団ででき、天敵も見つけやすい。生存に有利。しかしネグラは感染症の疑いがあったので1年半、隔離されていた。孤独な場合、ストレスホルモンが高いことがわかっている。高度な集団社会を作った生物では孤独が原因になっている。
さらに、、、記憶が原因になる?
アウストラロピテクス。アフリカのサバンナで暮らしていた。そこは猛獣が暮らす危険な場所。そこでは恐怖の記憶がカギになる。
現在のハッザの人々。ライオンに襲われた時の体験の記憶について話している。危険な縄張りには近寄らないようにしていると。
扁桃体と海馬。これが連動することで強い記憶が生まれる。海馬は記憶をつかさどる。
扁桃体が活動しないイベントは忘れられる。扁桃体が活動すると、強い記憶として蓄えられる。1週間前に何を食べたかは覚えられなくても、衝撃的な記憶は忘れない。
生き延びるためのメカニズム、記憶がまた私たちを苦しめている。
さらに進化の中でうつ病の新たな原因を獲得した。190万年前の人類の脳。ブローカ野。言語をつかさどる場所。言葉が理解できるようになった。声を使って多くの情報を伝え合うことが可能になった。ということは他の人から恐怖の体験を聞いただけで、記憶に刻まれることとなった。
他の人から聞いた言葉でも扁桃体が活動するようになってしまった。
進化するたびに、うつ病の種を抱え込んでいるようになっている。
場面変わってアフリカ、タンザニア。ハッザの人々を対象にしたうつ病の調査。21項目を聞きとって点数つける。朝起きたらそれだけで幸せ!明日のことは明日にならんとわからん。寝床に入ったらすぐ寝る、自分に自信を持っているにきまっている、、、
などの解答で平均点2.2点(軽いうつで11点、重いうつで31点のテスト)。うつはいない。
彼らは獲物は皆で平等に分ける。2匹の獲物を20人全員に分ける。どんなにおなかが減っていても独り占めはない。
40万年前、狩を始めた人類。獲物を取るには集団の結束は必要。そのためには獲物を分け合うなど平等であることが大事だった。
平等がなぜ大事か?春野雅彦博士が研究している。人々とお金を分け合うと脳がどうなるか?自分が損をするとき、損をするときは扁桃体は活動するが、平等は活動しない。
平等がうつ病の原因を抑え込んでいる。
なぜ平等の精神を持っているのに多くの人がうつ病になるのか?ある時代からうつ病への道を歩み始めた。それがメソポタミア文明にあると考えている研究者がいる。
権力と富を持つもの、持たざる者。明確な貧富の差。これは農業を中心とした社会への大転換にある。余った穀物を蓄えられるようになる。階級に応じて分けられる。平等な社会が崩れ去った。
職業の違いがうつ病の発症に影響することもわかってきた。1400人の調査結果で、専門的な職業(自分で判断する)ではうつ病は少ない。上司からの命令で動く営業や非・技能職ではうつ病が多い。立場の低い人が常にストレスにさらされている。
また奥野さん。毎日5時間残業してた。座っているだけでもつらかったと。
競争やねたみ、孤独、、、文明が生み出したもの。これがうつ病のきっかけになっている。
じゃあここまでわかったのなら解決策もあるはず。
場面変わってドイツのボン大学。頭に穴をあけ、電極を埋め込む。DBS。脳深部刺激。
ペースメーカからの電流で扁桃体を刺激、症状を和らげようとしている。この手術を受けた人が劇的に改善している。
またうつ病と無縁な人の暮らしを治療に応用している。TLC。生活改善療法。狩猟で暮らす人々を参考に、地域活動に参加したり、定期的な運動をしたりする。運動は神経細胞を再生する。規則正しい生活もストレスホルモンを正常にする。100人のうち、7割で改善が認められた。
日本でも生活の改善による治療が始まっている。奥野さんも規則正しい生活や運動をしている。福祉施設でアルバイトができるまでに回復した。ふれあいってあいさつから大事とコメント。
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うつ病というと現代病で、脳の新しい部分が原因と思いきや、古い脳の扁桃体が原因という意外なお話。魚をうつにするのは興味深いが、
NHKスペシャル「ここまで来た!うつ病治療」のメモ - 2012/2/12
では全部機械的に治療しようとしていたのが今回は挨拶とかになっててどっちなんだ!という気もしますが。
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第1集と第2集についてはこちら。
NHKスペシャル 病の起源 第一集 がん ~人類進化が生んだ病~をさっきから見てました。
NHKスペシャル 病の起源 第2集 脳卒中 ~早すぎた進化の代償~を観てました。
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