空気抵抗は実際、速度の何乗に比例する?&45°で投げ上げるのが本当に遠くまで飛ぶ?
大学生になって力学を学ぶ時、たいてい簡単なので空気抵抗は速度に比例するとして導入される。で、そこから速度の2乗に比例するというものもやったりする。
しかし、本当のところはというか、例えば野球のボールくらいの大きさの球はどうなってるんだろうと調べる。
空気抵抗による力、抗力(Drag force)というのは抗力係数(Drag coefficient)を使って、
FD= (1/2)*ρ*V^2 * A* CD
とかける。 http://www.grc.nasa.gov/WWW/k-12/rocket/dragco.html
もしCDが一定なら速度の2乗に比例ということに。
でこの抗力係数が球の場合、いろいろと測定などされていて、例えばNASAのサイトで
http://www.grc.nasa.gov/WWW/k-12/airplane/dragsphere.html
というようにレイノルズ数の関数になってる。だから速度の関数にもなってる。だいたい、人間が動いたり、ボールを投げたり、というのがレイノルズ数10^4~10^5とかそんなものなので、だいたいCD一定で、速度の2乗というのがそれっぽい。でもっとレイノルズ数が低くなると、速度に反比例に近づくので、まあ結局遅いと速度に比例に近づくのかな。
で、もう少し真面目に計算しようとしたが、これの数値テーブルなかなかない。が、これをマニアックにフィッティングしている人がいた。これ。
http://www.chem.mtu.edu/~fmorriso/DataCorrelationForSphereDrag2013.pdf
で私もこれを計算してみたら、、、
なるほど、10^5くらいで一旦下がるのまでちゃんと再現されてる。これを使って2次元の運動方程式を解いてみよう。
やり方は例えばルンゲクッタ8次(Dormand&Prince)でRayくんが解いた落下の微分方程式+αを解く。を参照。
で20m/sの速度で野球のボールの相当する大きさ・重さの球をさまざまな角度で投げ上げたとする。結果がこちら。
下が地面付近の拡大図。45°より、43~44°くらいで距離が最大に。
しかし、野球のボールくらいのサイズと速度では、あんまり45°と変わらないので面白さに欠けた、、、違うサイズでやってみようかな。
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コメント
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空気抵抗が4倍になったら22~21.5°で一番良く飛ぶんでしょうか。
投稿: | 2018年2月14日 (水) 23時41分