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数学者や物理学者が探偵役というのはたまにあるが、まさか論理学者が探偵とは、、、、
天才論理学者の硯は、甥の詠彦から持ち込まれる、すでに別の探偵が解決している事件の真相が正しかったかどうか、を論理学で解き明かす。
(これは文系の人にはつらいだろうなあ、、、私もあんまり記号論理学には詳しくないけど)
聖ペテルブルグのパラドクスやバナッハ・タルスキの定理、古典論理、直感主義論理、様相論理やゲンツェンの定式化とかの話題が、隠し味じゃなくて推理に使われているという斬新なもの。
そしてなぜ詠彦がそんなに殺人事件に遭遇するのかの真相は、、、ああなるほどそういうことか!と納得。
あの上苙丞も出てきますが、その顛末があれ?と思ったらそれも上の真相と関わるという。
なかなか万人向けというわけではないですが、面白かったです。
我孫子さんの作品を読むのは本当に久しぶり。あらすじは
「漫画家になりそこね、路上で似顔絵を描いていた鉄雄。ある日、テレビ局からの急な依頼を受け連続殺人事件裁判の法廷画を描くことに。
2人の男性を自殺に見せかけて殺した犯人と目されるのは誰もが目を引く美女。鉄雄は見たままを描き、どう見ても悪人とは思えない絵になる。その法廷画がテレビで放映されたその日、鉄雄は何者かに襲われて怪我を負う。一体、鉄雄の絵には何が描かれていたのだろうか・・・」
というもの。法廷サスペンスで、一体何が絵に描かれていたのだろうか、と気になるところですが、うーん、こういう○○○ものになるとは思わなかった。
けれど、最初からそういうことが描かれているので、それはフェアな作品ではあります。完全に論理ミステリと思って読むと?ですが、そうじゃないと思うと大変面白かったです。
なぜかアインシュタインのそっくりさんと櫻井翔さんが登場。
2019年4月10日。天文学史上画期的な発見が報告された。M87の中心の巨大ブラックホールの写真だ。
重さは太陽の65億倍。超巨大ブラックホールだ。
全てを吸い込むと思われていたブラックホール。それが物質を大量に吹き出していることも分かった。ブラックホールがあるからこそ、生命が誕生したということも考えられている。
アインシュタイン(そっくりさん)が聴いているのはBounce beat。嵐の曲だが、ブラックホールが歌詞に出てくる。
魔の天体というイメージがあるが、生命とブラックホールが関連するとも考えられている。
村山斉さんが解説。重力が強いため光さえも出てこれない。
秒速約11㎞がないと地球の重力からも抜けられない。地球よりずっと重くなると、光の速さでも抜けられないところが出てくる。
真っ暗に見えるためにブラックホールと呼ばれ、アインシュタインの一般相対性理論から出てくる。
しかし、シュバルツシルトが考えたもので、アインシュタインは懐疑的だった。
ではどうやって観測したのか?
国立天文台の水沢観測所。2018年6月、本間教授。ブラックホールの証拠がすべてそろう日。
朝食がチョコワ?(黒い穴の開いたシリアル)
おとめ座に望遠鏡を向け、その中のM87銀河。観測データは中心にブラックホールがあることを示していた。
その姿をとらえるには、地球から月面にテニスボールを置いたものを見分ける能力が必要。
そこで、地球サイズの電波望遠鏡を作った。世界の8つの電波望遠鏡で同じ天体を観測すれば、地球規模の望遠鏡になる。
300万の視力に相当する。
2017年4月。世界同時の観測が始まった。
観測したデータは1か所に集められるが、ここからが正念場。
このままでは画像はぼやけている。鮮明にしないといけない。
焦点を結ばせるものを後処理で行う。1年以上かけて画像処理のプログラムを作った。
2018年6月6日。ようやく準備ができた。ぼんやりと明るい部分と暗い部分が見えた。
さらに処理を進めると、だいぶ輪っかに近くなった。
アメリカのハーバード大学でも異なる手法で画像の鮮明化を図っていた。
それが日本の画像と同じになれば、、、
アメリカ・日本・ヨーロッパ・中国で同様な画像が得られた。
中央の暗い部分がブラックホールの本体。太陽から冥王星までが含まれる規模。
その周囲を明るいリングがある。これはいったい何?
どんどん周りからガスを集めてくる。吸い寄せられてくるガスが明るく輝くことで非常に明るい天体になる。
ガスは摩擦で高温になり、光り輝く。
ガスの明るさが上下で異なるのは、回転していて近づいてくるのが明るく、遠ざかるのが暗くなっている。
地球から見てガスは縦方向に回っている。輝いている温度は60億度。宇宙随一の高温。
村山さん曰く、中央には特異点があり、まだ我々には理解できない。大体こうじゃないか、はわかっている。
引っ張られて伸びていく、麺棒で伸ばしたようなスパゲッティ化現象。
外から見るとブラックホールに近づくと時間が遅くなるように見える。
ほとんどの銀河の中心には巨大ブラックホールがあると考えられている。天の川銀河の中心にも。
宇宙に数千億個ある銀河の中心にはほぼ存在する。
ハワイ、マウナケア山。
松岡良樹さん、ブラックホールハンター。
宇宙が始まったときのブラックホールがどういうものだったかを知ることが大事という。
遠くの宇宙を観測することで宇宙の始まりが分かる。
すばる望遠鏡で観測している。ブラックホールの黒い部分は直接は見られない。
そこで周りのガスの光を手掛かりに探す。
それでも極めて遠くにあるため、普通の星とは区別が難しい。
ようやく当たりが見つかった。クェーサーだ。
129.9億光年先にある。oku-nenとプログラムにかかれている(笑)
M87銀河の10000倍の明るさ、モンスターブラックホール。
松岡さんのグループは100個もの初期ブラックホールを見つけた。
なぜ太古のブラックホールは激しい?
大量のガスが存在しているためと考えている。
現在のブラックホールはあまりものを飲み込んでいないものが多い。
さらに驚くべきものが見つかった。
ラス・カンパナス天文台(チリ)で、エドアルドさんが発見したのは128億年前のブラックホール。
大変驚いた。中央にとても明るい光があり、そこから2方向にガスが放出されていた。
吸い込むだけでなく、放出していた!
5000光年にもわたるサイズで。
ジェットと呼ばれている。
太古のブラックホールでジェットが見つかる例が見つかりだしている。
筑波大学の大須賀健さんが研究している。
100億年前の(おお、fortranだ)現象をシミュレーションしてみた。
摩擦で高温になると強い磁力が生まれ、磁力線が巻かれエネルギーが蓄えられる。磁力線が逃げ場を求めて、それと共にガスが噴出される。
ジェットのスピードは光に近いスピードで吹き出す。
入る前のものが吹く出すのがジェット。
http://www.isas.jaxa.jp/j/forefront/2011/lukasz/index.shtml
このジェットは我々と無関係ではない。
オランダ宇宙研究所のオーロラ・シミオネスクさん。
https://news.mynavi.jp/article/20151021-a055/
ブラックホールの画像が役に立つという。
ルーマニアで生まれ、17歳で物理オリンピックで金メダル。天才物理少女と呼ばれ、30歳でNatureに論文が掲載。Jaxaでも研究。
X線天文衛星すざくを使い、M87銀河周辺を調べた。
元素の分布に注目した。鉄、マグネシウム、珪素、硫黄が見つかった。その比率は宇宙のどこでも同じようになっていた。
太陽系でも同様。
なぜ似通っている?ブラックホールが大きな役割を果たしたと考えている。
水にインクを落とすと、ムラができる。ムラのない状態にするには、もちろんかき混ぜればいい。
これがブラックホールと関連していると考えている。
http://www.jaxa.jp/press/2013/10/20131031_suzaku_j.html
超新星爆発で元素が吹き出すが、10光年にもわたっている。鉄とカルシウムも離れている。
何かがかき混ぜないと、、、
どうやってかき混ぜた?
アメリカ マサチューセッツ州。コンピュータを使った研究が行われている。
MIT。(これはC++か)
数千人がシミュレーションに関わった。
ブラックホールが決定的であることが分かった。
100億年前、宇宙はいまの1/3くらいだった。星が次々に生まれ、爆発を起こして死んでいく。
生まれた元素は宇宙空間にばらばらに漂っている。
銀河の中心の超巨大ブラックホールがそこから大量の物質をジェットで吹き出している。生命に欠かせない元素が
宇宙の隅々まで届けられる。
我々は星のかけらだという村山さん。100億年前には星のベビーブームが起きたという。
材料はどこでもそろっているのだから、環境さえあれば他の星にも生命がいる?
冒頭からびっくりする迫力のシーン(ネタバレになるのでかかない、、、)。ここでぐっと心をつかまれる。手が、、、戦争の悲惨さが伝わる。
そして菅田将暉くんの演技がやはりいい。櫂直は数学者というより計算の天才という感じですが、
計算尺じゃなくて巻き尺を持ち歩いて何でも測る。
計算尺を持ち歩いていたのはエンリコ・フェルミさんと風立ちぬの堀越さんですが。。。
計算尺を持ち歩いていた物理学者と言えば、、、あのエンリコ・フェルミ大先生ですよ。
その菅田くんがせん断応力とかミーゼスとか語るのも面白い。波による強度も。
https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/00324/contents/014.htm
そしてクライマックスのあのシーン。めっちゃよかった。ので数式(鉄の総量から戦艦の建造費を予測する式)を
予告編から拾ってみてみた。
f(x)はこんな感じ。
f(x)のグラフ。
そしてこれをカシオの高精度計算サイトkeisan.casio.jpにUPしてみた。こちら。
戦艦の鉄の総量と建造費の関係式(映画アルキメデスの大戦より)
これ、二階の微分方程式から導いていたので、後でどんな方程式になるか見てみよう。
あと柄本佑くん、やはりこういう役がめちゃくちゃいい。どんどん魅力的に見えてくる。
浜辺美波ちゃんはめちゃくちゃかわいい。そして木南晴夏さんがものすごいチョイ役で出ている。
大物俳優さんたちのうさんくささ(褒め言葉)が映画に華を添える。
そして田中泯さんと菅田くんのシーン。これはちょっと泣きそうに(最後のあれも)
さすがにVFXは山崎貴さんだけあって凄いし、そもそもお話が面白い。
これはお勧めです。
最近ではアリス殺しのシリーズがヒットしている小林さんですが、あれにもかなりえぐいぐちゃぐちゃな殺され方とか出てるし、ウルトラマンが実際にいたらどんな悲惨が被害を受けるか、というAΩでもぐちゃぐちゃでしたが、、、
今回は割とソフト。でもめっちゃ面白い。
あらすじは
「失恋旅行で予備知識全くなく京都を訪れた滝沢陽翔。そこで本気の殺し合いを始めた謎の異能集団に遭遇してしまう。彼らは神獣、玄武・青龍・朱雀・麒麟・白虎の眷属であった。
一般の人間には入れないはずの結界内に入れた陽翔。そして襲われていた少女をかばう。実は彼も火の一族の子孫ではあったが、、、修行も何もしておらず血も薄まっているのでなんの能力も使えない(ここがなろう系とは違うところですね。そこはさすがに小林さん)。ある裏切りによって引き起こされる未曾有の大災害から日本を救うため、陽翔は否応なく非日常に巻き込まれていく。そこにアメリカの組織(CIAとは関係ない!)と某国の組織も入り乱れ、、、神獣の大戦争が始まる。一体日本を、世界を救うことができるのか?」
というもの。
京都のよく知っているところ、巨椋池とか、伏見港とか中書島とか糺の森とかが戦闘の舞台になってそこを想像するだけでも楽しい。
これすごくアニメ化に向いている話と思うんですが、なんかすぐアニメ化されそう。
予想通りかなりの混雑ぶりでした。
あらすじは、
「島から東京に家出してきた16歳の男の子、帆高。仕事を探すが未成年には無理、、、そこでフェリーで出会った怪しい男が経営する会社で、オカルトライター(ムーですよ!Tシャツもムー)の手助けをして暮らす。そんななか帆高は100%の晴れ女、陽菜(18歳?)と出会う。そのころ東京は異常なほどの雨が続いていたが、彼女が祈るとその近くだけは晴れになる。
彼女は小学生の弟・凪(モテモテの二股野郎!)と二人暮らし。母親は去年死んだという。二人は100%晴れにできる能力を仕事にしようとWebで依頼を募集し、お金に変えるとともに人々を笑顔にしていくが、その能力には秘密が、、、」
というもの。
小道具が実在するものを一杯使っていてリアルな感じをだしている。チキンラーメンとかコイケヤのり塩ポテトチップスとかビールとか。
ビッグマックとか(これが重要なシーンで)、CCレモンとか(これもある意味大事)、バーニラ、バニラとか。
あと、街の風景と言うか移動がストリートビューというか、とてもリアルで、なのでカー?チェイスもとてもリアルに。
君の名は。のファンにもうれしい、主役の2人がさりげなく出ている(2人はそれでもすぐわかるんですが、四葉とあと2人出てるというのをエンドクレジットで見て驚く。思わず検索してしまった)。
あ、プリキュアファンもうれしいかも。初代!(これ本物じゃ、、、とか思ったりした)
面白いのはそうなんですが、ちょっと引っかかるのが2点。
1点目は、全く主人公の帆高くんに感情移入できない!そもそもなんで幸せそうな島から家出して帰らないとか言ってんのか全然わからん。ラスト見てもものすごく大切に育てられているように見えるし。むしろ、帆高くんの両親に感情移入して気の毒にずっと思っていた。
やってることもむちゃくちゃだし。。。○○拾ったり警察に追われたときももうちょっとやりようがあるだろうと。世界も陽菜も両方助けようとする行動を一切しない。実際の自分ならそうだろうけど、主人公なら何とかして、、、と。いやそれが新海さんの狙いだろうが。
2点目はやはりラストというか、ある意味バッドエンド(かハッピーエンドか意見が分かれると思う)。
まあ前の新海誠さん作品に戻ったと言えばそうなので、驚きはしないが、、、雲のむこう、約束の場所、が近いのかな。雲だし。
君の名は。は全員がハッピーだったが、今回はそれができない状況でどうするか?ということで、これが受け入れられるかどうか興味深いですね。
「そして誰もいなくなった」「十角館の殺人」に挑戦するミステリ、ということで期待して読んだ。確かにこの手があったか!と思うようなミステリ。
あらすじは「真空気嚢という歴史を変える発明により作られた飛行船ジェリーフィッシュ。その発明者である、ファイファー教授たち技術開発メンバー6人は新型ジェリーフィッシュの飛行性能試験を行っていた。ところがその最中に1人が変死しさらに試験機が勝手に自動操縦され雪山へ不時着する。脱出不可能な雪山で次々と犠牲者が、、、」という話と、章を交互にして事件が終わった後の出来事として警察のマリアと蓮が次々とでる新たな謎に立ち向かう話になってます。登場人物は全て他殺としか思われない殺され方をしていた。一体誰が犯人なのか?
で、最初、、、、真空気嚢が人間から作られていて(エヴァみたいな)、それが犯人という脱力ミステリじゃないか(最初の数ページ読んだ感想)と思ったが、もちろん全然違う。。。(なんでそんなことを思ったか恥ずかしい、、、)。
章が変わるときは日付に気をつけろ、というのがよくあるミステリの読み方ですが、これは時間。
時間が最初からあれ?と思うのが多かったんですよ。なんで2時間ほっとくの?とか。あと外から見ないとわからないのに?とか無線とか女子も同じ?とか。
そういうことかー!やっぱり思わず読み返す。
なかなか面白かった。
仕事終わりに遅めの時間で公開初日に観てきました。トム・ハンクスの声が聴きたいので字幕版で。あとキアヌ・リーヴスがすごい役で出ている。
トイ・ストーリー3は、So long, partnerで号泣した私ですが、今回は号泣作品というよりは、おもちゃの存在意義というか子供から捨てられたおもちゃは不幸せなのか?というテーマで、結構重かったりする。
ストーリーは、
「前作でアンディからボニーに受け継がれたおもちゃたち。ボニーの幼稚園体験入学に付いていったウッディは、そこでボニーを助け、ごみ箱の中の素材、プラスチックのスプーンやアイスの木へらからボニーが自らおもちゃ、フォーキーを誕生させるのを見る。
しかしごみから生まれたフォーキーは自分がおもちゃであることが理解できず、すぐにごみ箱に捨てられに行こうとする。必死に止めるウッディ。そんな折、ドライブ(といってもキャンピングカーだ。うらやましい)旅行しているボニー一家の車からフォーキーが逃げ出す。飛び降り探すウッディ。そして見つけたが、その帰り道でウッディは20年前に別れたボー・ピープの痕跡を古道具屋で見つけ、、、」
というもの。古道具屋の人形が全部ホラーだ。。。
そして再会したボーが異常にかっこよくなっている。アラジンでもそうでしたが、最近は女子キャラをめっちゃ強く描くのが主流なんだな。
あとボーの友達のギグル・マクディンプルズという小さな婦警キャラがかわいい。あの折りたたみハウスごと欲しい。本当に80年代に売っていたとか。
悪のボスだと思っていたギャビーギャビーの哀しみ、そして最後のあのシーンはやっぱりうるうるした。
ウッディがどういう選択するかが今回の最大の山場だが、あれでよかったのだろう。
今回はトイストーリーで初めて(?)明確なロマンスらしきものがあったりする。しかもある意味2組か。(2組目はびっくりするが)
キアヌ・リーヴスがあのキャラやっているのはカナダ出身だからか!めっちゃはじけている。
おそらくこれで最後(これ続けようとするとそうとう無理な展開になりそう、、、って今回のボーもそうか、、、)になるだろうからトイストーリーファンは観たほうがいいです。
あらすじは”悪夢を題材にしたホラー、ナイトメア・ライジングが大ヒットし、ハリウッドで映画化までされることになった超人気作家 白布施。有栖川は彼と対談をし、亀岡にある彼の家、夢守荘を訪問することになった。そこには悪夢を必ずみる部屋があるという。
しかし泊まった翌日、白布施の今は亡きかつてのアシスタントが住んでいた家で、彼の知り合いだったという女性が右手首のない状態で矢に射抜かれて殺されていた。犯人は彼女のストーカーか?壁に彼のものらしき血の手形がついていた。事件は簡単に解決すると思われたが、、、”
というもの。
これは動機が印象深い作品で、実際こんなことに自分が遭遇したらどうするだろう、と思って読んでた。さも自分のように語れるか、とか。
会社はどうなるんだ、とか。
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