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2021年8月21日 (土)

スマホRF駆け出しエンジニアの豆知識: ⑨フリーの高周波シミュレーションソフト(回路シミュレーションはQucsStudio, LTSpice XVII、電磁界シミュレーションはHFSS学生版、Rogersツールで特性インピーダンス計算、PythonはScikit-rf)

今回で第五回。高周波シミュレーションのソフトウェアでフリーなものについて。基本、シミュレータはSパラメータを出力するものになっているのが低周波のシミュレータと違うところ。

まずはKeysightのADSに代表される、周波数特性を求める回路シミュレータに似た操作で計算できるものとして、

1. Qucs あるいはフォークされたQucsStudio

本家Qucsは

http://qucs.sourceforge.net/

QucsStudioは

http://qucsstudio.de/

最新版があるのと、ライブラリでほしいものがあるので私はQucsStudioを使っている。

こんな感じでコンポーネントを選んで(例はマイクロストリップライン)、

Sim01qucs01

計算するとSパラメータがスミスチャートも込みで計算できる。ADS使ったことある人ならすぐ使えると思う。

Sim02qucs01

 

参考:

高周波回路シミュレータQucsStudioを使ってみる(その1)まずは何をさておきμの文字化けだけには注意。

高周波回路シミュレータQucsStudioを使ってみる(その2)SパラメータのTouchStoneフォーマットで出力するには?

高周波回路シミュレータQucsStudioを使ってみる(その3)Mixed Mode S parameterを計算

高周波回路シミュレータQucsStudioを使ってみる(その4) 電磁界シミュレーション(FDTD)機能を使ってKeysight ADSのMomentumの例題のフィルタ(スタブLPF)を計算。

2.LTSpice XVII

リニアテクノロジーがアナログデバイセズに買収されてもまだちゃんとLTの名前が残って更新されているLTSpice。

https://www.analog.com/jp/design-center/design-tools-and-calculators/ltspice-simulator.html

先程のADS系と違って基本は時間領域計算ですが、Sパラメータも交流を応用して計算できる。

ExampleにSparaの使い方が入ってます。一番最後の回路が推奨。

Sim01ltspice01

ちゃんとフィルタ特性も計算できてる。タッチストーンに直せないのと、別のSパラを持ってこれないのは難点ですが。

Sim01ltspice02

3.  Ansoft HFSS

なんと3次元電磁界シミュレータの代表であるHFSSのスチューデントバージョンがある。これ一択ですな。

Ansys Provides Competitive Edge to Future Workforce Through Novel Release of Free Electronics Desktop Product for Students

Ansys_electronics_desktop_student_maxwel

Ansys® HFSS™, Ansys® Maxwell®, Ansys® Q3D Extractor® and  Ansys® Icepak®

も使える。

4. RogersのMWI (Microwave Impedance Calculator)

https://www.globalcommhost.com/rogers/acs/techsupporthub/en/calculatorMWI.php

基板の特性インピーダンス計算したいならこれ一択と思います。かなりよく実測とも合う。

Sim01rogers01

5. AppCad (hp→Avago→Broadcom)

古くはhpが作っていた高周波のいろいろな計算ができるツール。マイクロストリップラインなどの計算もできるし、

Sパラも表示できる。

https://www.broadcom.com/appcad

Sim01appcad01

RF・マイクロ波の便利ツール、HPのAppCADがいつの間にかAvago(Broadcom)ライセンスのver4に!Sパラ表示や伝送線路計算などできるよ。

 

6.Pythonの高周波ライブラリ Scikit-rf

シミュレータよりPythonでやりたいという人はこちらで。

http://scikit-rf.org/

import skrf as rf
ntwk = rf.Network('ring slot.s2p')
ntwk.plot_s_smith()

とかだけでSパラメータが描ける。

Triplexer3_20210820194101

参考:

Pythonの高周波系のライブラリ scikit-rfを使ってみる(その1) 何はともあれSパラメータを㏈表示する。とりあえずダイプレクサとトリプレクサでも。

Pythonの高周波系のライブラリ scikit-rfを使ってみる(その2) TDR(Time Domain Reflectmetry)を試す。

Pythonの高周波系のライブラリ scikit-rfを使ってみる(その3) スミスチャートにマーカーを打つ。

Pythonの高周波系のライブラリ scikit-rfを使ってみる(その4) 評価ボード(EVB)に実装された素子の素の特性をDe-embedで求める。Qucsstudioで元データを作った。

いろいろ試してみよう!

 

これまでの記事:

第一回:

スマホRF駆け出しエンジニアの豆知識: ①アンテナスイッチとアンテナスワップスイッチとアンテナチューニングスイッチとアンテナアパーチャスイッチの違いは? ②デュプレクサとダイプレクサの違いは?

第二回:

スマホRF駆け出しエンジニアの豆知識: ③アプリケーションプロセッサとモデムとトランシーバーの違いは?④いつからバランスタイプのSAWフィルタが使われなくなった?

第三回:

スマホRF駆け出しエンジニアの豆知識:⑤スマホ内部の有線通信はMIPIスタンダード⑥電源系は電源管理IC(PMIC)が使われるがDC/DCコンバータのスイッチング周波数って6.4MHzとか高くできる。

第四回:

スマホRF駆け出しエンジニアの豆知識:⑦スマホRFのフロンドエンドモジュール(FEM)のブロック図はどうなってる?⑧5G ミリ波の場合は?

第五回:

スマホRF駆け出しエンジニアの豆知識: ⑨フリーの高周波シミュレーションソフト(回路シミュレーションはQucsStudio, LTSpice XVII、電磁界シミュレーションはHFSS学生版、Rogersツールで特性インピーダンス計算、PythonはScikit-rf)

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