「フーガはユーガ」(文庫版、伊坂幸太郎さん)を読んだ。ある能力を持った双子が不運にみまわれながらも強く生き邪悪なものに立ち向かうお話。単行本で読んでとても面白かったが、文庫版で結末を変えたかどうかをあとがきで伊坂さんが語っている。
1年のうち、誕生日だけ2時間に一回入れ替わり(体ごと)が起きる双子の常盤優我と風我。この役に立つのか立たないんだかの能力で話を膨らませて、伏線を散らばめて(最初の方の新幹線とかボーリングとか繋がるとは思わないよね)最後にいつもなら大団円になるのが伊坂さんの作品と思いますが、この作品は少し違いました。で、結末を単行本から変えるかどうかについても考えたとあとがきで書いてあります。どうなったかは単行本を読んだ人(私も)にも楽しめる作品だと思います。まあ一回読んでも何度読んでもめっちゃ面白いんですが。
あらすじは
「常盤優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語りだす。双子の弟、風我のこと、幸せでなかった子供時代のこと、そして彼ら兄弟だけの誕生日に起きる不思議な「アレ」のこと。二人は大切な人々と出会い。その能力を武器に邪悪な存在に立ち向かおうとするが、、、」
というもの。語りだすけど最初から自分は「信頼できない語り手」だと宣言するのが面白い。
二人は強いんですが、次々と不幸が舞い込むのに目をそむけたく(ハルタくんとか特に)なる…
ただ最後には様々な伏線が一気に収束するが、、、今回は冒頭にも書いたように単純ではないです。
でも最後の章で救いがあると思いたい。単行本読んだ人にも再読お勧め。
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