カナダ金貨の謎(有栖川有栖さん)を読んだ。火村英生の国名シリーズを含む短編集ですが。スマホ・タブレット・防犯カメラと今風なのがちょっとびっくり。トロッコ問題を題材にした作品も。
国名シリーズ、10作目ということでした。「7人の名探偵」でもう読んでいた船長が死んだ夜、から始まり、火村先生そんなに猫好きだったのか、というエアキャット、表題作のカナダ金貨の謎、火村と有栖が最初に大学で出会ったときのお話、あるトリックの蹉跌、そしてサンデル教授のトロッコ問題を題材にしたトロッコの行方、の5篇の短編集。
特になぜ殺害現場から消えた1枚のメープルリーフ金貨の謎を描いたカナダ金貨の謎が面白い。倒叙ですが、全部が最初から明らかになっているわけではないのが、火村さんがちょっとしたことを見つけてそれが謎の解明につながるのがいい。
トロッコの行方の動機も今どきだなあ、とか思った。そういや多くの作品でスマホ、タブレット、防犯カメラ、など現代のアイテムが出てくるのも有栖川さんの作品ではあんまりなかったのではないか、と新鮮に感じた。
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