「魔眼の匣の殺人」を読んだ。前作の屍人荘の殺人がいきなりびっくり設定だったのに対して、今回は後から設定がじわじわ効いてくるようなロジックがすごい。クローズドサークルの中であと2日で4人死ぬという予言は成就するのか…
前作の「屍人荘の殺人」が本当にびっくりする設定で、次作が大変だろうな、と思っていたが全くタイプの違う、けれどロジックで解決するという作品でこれもとても面白かった。
あらすじは
「前作の悲劇を引き起こす原因となった班目機関の手がかりをつかもうとするうち、
葉村と比留子はW県の人里離れた村で予言を行う超能力が研究されていた疑いを知る。
そこにある「魔眼の匣」と呼ばれる施設を訪れた2人は、その主である予言者の老女から
「あと2日のうちに、この地で4人死ぬ」と遂げられる。施設には合わせて9名居合わせたが
施設と外界を結ぶ唯一の橋が燃え落ち、クローズドサークルの状況で、居合わせた女子高生も
予知能力を持つことが判明する。そんな中、第一の被害者が…
葉村と比留子は生き残って謎を解き明かせるか?」
というもの。
予言という拘束条件の中で解を求めるという数学のようなロジックがとても面白い。予言が本当でもそうでもなくても成り立つようなロジック。それのヒントがだいぶ最初の方から示されているという…
あと予言とは直接関係がない部分での真相にも驚く。別のあるトリックで、これは全然予想してなかった。
これはお勧めです。
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