パンサー尾形さんのNHK笑わない数学 素数のメモ。出てきた双子素数や素数階段をScratchでやってみたり、リーマンゼータ関数を立体的にExcelのLAMBDA関数を使って描いてみたりGIMPSから最大のメルセンヌ素数ダウンロードしたり。フリーマン・ダイソンさんもインタビューに登場。
第一シーズンの第一回が第二シーズンの最後になりました。さてメモ。
パンサー尾形さん登場。今回のテーマは、素数です。素数とは、1と自分自身でしか割り切れない数。
2 3 5 7 11 13 17 19 23 29...
素数は無限に存在することがわかっています。一方で、素数は「数の原子」とも呼ばれています。
その理由は、どんな数でも素数の掛け算に分解することができるからです。
例えば10ならば2×5、30ならば2×3×5
もっと大きな数でも本当に素数に分解できるか、試してみましょう、カモン!ハマちゃん登場。
尾形さん、これでお願いします。
215820
(大きすぎない?という尾形さん。間違って違いますよ、とか言われながら…)
215820=2×2×3×3×5×11×109
になります。正解です。サンキュー!
このように素数とは全ての数の元になっているもっとも基本的な数です。
でも実はとてつもなく不思議でとてつもなく奥が深い数でもあるんです。
なんと素数に関する問題には100万ドル、つまり1億円の懸賞金がかけられたものまで存在するんです。
これを見たあなた、録画して何度も見返した方がいいんじゃないですか?
まずは、素数がいかに不思議な数か見てみましょう。
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素数には数学者を引き付けてやまない謎があります。たとえばこれ。
無数にある素数の中でも3と5、5と7、11と13のような1つ飛びのペア。
仲良く隣り合っていることから双子素数と呼ばれています。
この双子素数、数が大きくなればなるほどなかなかでてこなくなりますが、
とっても大きな数になっても思い出したようにあらわれる。
双子素数はどれだけ数が大きくなっても出現するのか?
それともあるところから無くなってしまうのか?
これは未解決問題だ。
※以前、カシオの高精度計算サイト keisan.casio.jpに双子素数計算の自作式を作りました。
Scratchでもやってみた。
https://scratch.mit.edu/projects/11723583/
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素数の魅力にとりつかれているのは数学者だけではない。
実は世界中に素数を愛してやまない素数ファンがあふれている。
Great Internet Mersenne Prime Search
とにかく巨大な素数を見つけたいと思う人が参加するプロジェクトです。世界中のパソコンをインターネットにつないで素数を計算していますが、参加者はなんと約24万人。
現時点での最大の素数は…2486万2048桁
https://www.mersenne.org/primes/
※ダウンロードしました。
こうした巨大な素数が発見されるたびに、世界ではニュースが駆け巡るほどの大騒ぎに!
素数にはなぜか数学者もそうじゃない人も引き付ける不思議な力がある。
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パンサー尾形さん再登場。
皆さん、素数が秘めた魅力、まだまだこんなものじゃない。
何世紀もの間数学者を悩ませてきた素数最大の難問がある。
それは、素数はどんなタイミングで出現するのか?という問題です。
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素数のタイミングを知るなら、素数の上を飛んでみるのが一番。
数字が一直線に並んでいて、光っているのが素数。
尾形さんがその上を飛んでいる!
不規則に見えて、固まっているところがあったり、しばらく見当たらなかったり。
バラバラです、という尾形さん。
なんでこんな並び方に?気まぐれな素数の並び方に規則はあるのか?
この謎が数学者たちをずっと悩ませてきた。
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パンサー尾形さん再登場。
素数の並び方の謎は、古代ギリシャの時代から数学者たちを悩ませてきた。
しかし誰一人手がかりを見つけられず、2000年が過ぎた。
そんな中、人類史に輝く素数に関する大発見を成し遂げたのが、
レオンハルト・オイラー。18世紀を代表するスイス人数学者。
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まるで息をするかのように計算をする、と言われた天才数学者オイラー。
31歳で病気で右目の視力を失いますが、これで数学に集中できるといったと言われている。
素数の並び方の謎に挑むことにしたオイラーは
まず、素数を自分の手で探すことから始めた。そして頭の中でこんなものを考えた。
数字が書かれた階段。ただし、段が上がるのは素数に出会ったときだけ。
名付けて素数階段です。
※これもScratchでやってみた素数階段
https://scratch.mit.edu/projects/11028649/
もちろんパソコンも電卓もない時代、地道に手計算し続けた。
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パンサー尾形さん再登場。
決してあきらめないオイラー。そんなオイラーが僕は好きだ。しかし当時は素数の並び方には
意味はないと思われた時代。オイラーに対して周りの数学者は冷ややかだったでしょう。
しかし意味はあるとオイラーは自分の直感を信じ続けた。
そしてとんでもない大発見をする。
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素数階段を上り続けたオイラーは大発見をする。
ある数学の問題を解く過程で、オイラーはこんな計算を試しました。
2²/(2²-1)×3²/(3²-1)×5²/(5²-1)×7²/(7²-1)...
素数を使った掛け算。
この式の値はπ²/6になることを突き止めた。
πは3.1415...と続く円周率。
これが驚くべき大発見なんですが、何が驚きか分かった?
バラバラに見える素数だけを使った掛け算が、最も美しい形、円を表す円周率と繋がった。
「数学者たちにとって衝撃でした。まさに大ショックでした。オイラーの発見によって、素数はただの無秩序な存在ではないかもしれないと、多くの人が初めて感じるようになったのです。」
とステクロフ数学研究所教授のニコライ・ムニェフ博士は語った。
オイラーの発見によって素数の並びには大切な意味があるかもしれない、という機運が高まった。
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パンサー尾形さん再登場。
ついに素数が持つ神秘の一端に触れたオイラー。
気まぐれでバラバラな素数が円周率と繋がるなんてすごい。数学なんてただの数字の羅列だと思っていたあなた!
数学は宇宙の神秘にもつながる、ロマンあふれる学問なんです。
しかし、そのオイラーでも素数がどんなタイミングで登場するかは分からなかった。
そこへ次なる天才数学者が現れる。
ドイツのカール・フリードリヒ・ガウス。
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数学史上最大の天才ともいわれるガウス。3歳で父親の計算間違いを指摘したという。のちにガウスは言葉を覚えるより前に計算のやり方は理解していた、と語った。
そんなガウスは少年時代から素数に興味をもつ。素数階段を上り始めた。
ガウスがオイラーと違っていたのは自然対数表を持っていたこと。
自然対数はかたつむりや銀河など、自然界に現れるらせんと関連する。
表の左側の数字は、らせんの中心からある点までの距離に対応し、右がの数字はその点までの巻き数に当たる。
※対数螺旋はこちらを。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BE%E6%95%B0%E8%9E%BA%E6%97%8B
ガウスはこの自然対数表を使えば素数階段の高さを予言できると言い出した。
ガウス少年と一緒に階段を上ってみよう。
9227にたどり着いた。自然対数表を取り出し、9227を探した。そして右側の数字で割ってみた。出てきた答えは1010。
この数が階段の高さ。つまり今いる数が何番目の素数か、を示しているというのです。
本当にあっている?ガウス少年はロープを取り出し階段の高さを測ってみる。高さは1144。一致していない?
誤差11.7%
今度は262069までやってみた。今度も自然対数表を使って21005を計算した。また階段の高さを測定すると22992。
誤差8.6%で先ほどより小さくなっている。
ガウスが発見したのはを階段を上っていくと誤差がどんどん小さくなり、最終的には素数階段の高さと自然対数表の計算が、
ぴたりと一致するという事実だった。わかりましたか?
この事実は、素数が自然界の重要な定数「e」(自然対数の底=2.7118281828...)と密接につながることを示す、大発見として数学史に刻まれた。
マックスプランク数学研究所の教授ドン・ザギエ博士は語る。
「円周率πと自然対数の定数eは、自然界で最も重要な2つの数です。不規則にしか見えない素数が、実は自然界のキングとクイーン、πとeに関係があるという結論は素数が自然界の重要な構成要素であることを示唆しているのです」
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パンサー尾形さん再登場。
やっぱり素数はただのバラバラな数じゃなかったんだ。やったなー、ガウス。オイラー、見てるか?
そして更に進化させる男が登場する。
ドイツの天才数学者、ベルンハルト・リーマンです。
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リーマンが素数の謎を解くためにヒントにしたのはオイラーのあの計算、素数だけで出来たあの数でした。
りーまんはこの式の2をxに変えてみたんです。え?ちょっと難しい?まあとにかくこの式も素数だけでできているということを
覚えておけば十分です。
これをリーマンはゼータ関数と名付けた。
立体的なグラフに描いてみた。ゼータ関数のゼロ点に注目した。当初の予想では、不規則な素数だけで作られたゼータ関数だからゼロ点もバラバラに散らばっているだろう…と思われた。
しかし3つほどゼロ点を求めたリーマンは予想外の事実に突き当たる。なんと、ゼロ点の位置がぴたりと一直線上に並んでいた。
これは単なる偶然なのか?いや素数の規則性を示す一つの証拠?
リーマンは、これは偶然ではなくすべてのゼロ点は一直線上に並んでいるのではないかと予想したのです。これはリーマン予想と名付けられた。
ゼータ関数の非自明なゼロ点はすべて一直線上にあるはずだ。というもの。
※私もいろいろ描いてみた。
JavaScriptだったり、
JavaScriptの数値計算ライブラリmathjsを使う(10) リーマンゼータ関数(Riemann Zeta function)を計算、3次元化してPlotlyでぐりぐり動かす。
ExcelのLAMBDA関数だったり。
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アメリカ数学研究所の教授、ブライアン・コンリー博士はこう語る。
「すべてのゼロ点が一直線上に並んでいるはずだというリーマンの直感がもし正しければ、それは素数に理想的かつ完璧な調和が存在することを意味します。リーマン予想は素数の並びに何らかの意味があることの数学的な裏付けになるのです」
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パンサー尾形さん再登場。
このリーマン予想、数ある数学の難問の中で、最も難しく、最も重要と言われている。これにあの1億円の賞金がかけられている。
どうです?皆さん、解きたくてうずうずしてきたでしょう?
でもあまりの難しさに人生を棒に振ってしまった数学者もいるので、ほどほどに。
それでもこの問題に挑みたいというあなた。これがひんとになるかもしれません。
50年前、ある2人の研究者の偶然の出会いが、全く予想もしなかった新発見をもたらします。
物理学者フリーマン・ダイソンと数学者ヒュー・モンゴメリー。
この2人の発見驚きますよ。
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舞台はアメリカ、プリンストン高等研究所。
様々な分野の研究者が在籍する。毎日午後3時にティータイムが設けられていて研究者たちが談話室に集まってくる。
50年前のある日、ミシガン大学からたまたまやってきていたヒュー・モンゴメリー博士。
リーマン予想を研究するアプローチは他とは違っていた。ゼロ点が一直線に並んでいるかどうかではなく、
ゼロ点同士の間隔だった。バラバラな素数と関係があるゼロ点なのに、なぜか比較的均等に並んでいるようだ。
談話室でモンゴメリーはダイソンを友人から紹介された。ダイソンは量子物理学の分野で大きな業績を上げていた。
ダイソンさんは語る。
「やってきたモンゴメリーはどういうわけか、私にゼータ関数のゼロ点の間隔の話を始めたんです。」
モンゴメリーさんは語る。
「ダイソンに、何を研究しているって、と尋ねられた私は、式の形を示して、こんな形の式になる、と答えた。するとダイソンの顔つきが変わりました。」
ダイソンさん「私は、それはすごい!その式はウランなどの重い原子核のエネルギーレベルの間隔を表す式とそっくりじゃないか、と答えました。」
なんとモンゴメリーが見つけていたゼロ点の間隔を表す式と、ダイソンが見つけていた重い原子核のエネルギーの間隔がそっくりだった。
宇宙を構成する原子の中心にある原子核。そのエネルギーはとびとびの値に変化する。ダイソンはそれを計算していた。
この大発見は世界中の数学者たちを突き動かした。
1996年には数学者と物理学者が参加する、リーマン予想の大会議が行われた。
無味乾燥にしか見えない素数の並びと宇宙の法則。
この2つにどんなつながりがあるのか?研究者たちはその謎を追い続けている。
ーーーー
パンサー尾形さん再登場。
いやー、単なる数だと思われていた素数がこんなに奥の深い存在だったなんて。
信じられないくらいすごいことです。気まぐれでバラバラに見えるのにとんでもないやつ。そんな素数が、俺は好きだ。
でも人類はいまだに素数の謎を完全には解明できていない。
それを成し遂げるのは。。あなたかもしれませんよ。。。
はい、OKです。
お疲れ様でした。どうですか?いや素数好きですよ、疲れました、もうだめだ、難しすぎる、言葉が、全部!
どっきりでしょ?これ!
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