高周波エンジニアのためのAI・機械学習入門(3)PythonとKeras3.0を使って畳み込みニューラルネットワーク(CNN)で3次のLCバンドパスフィルタ(BPF)のSパラメータを画像と見なして素子の値(L、C)を推定する。
前回はDNNを使って素子の値を推定した。
今回は畳み込みニューラルネットワーク(CNN=Convolutional Newral Network)を使ってみよう。
畳み込みニューラルネットワーク (Convolutional Neural Networks)
これは画像でよく使われる方式で、例えば2次元の場合は画像の縦・横サイズに加えて色情報があるようなデータ形式になっている。
今回のSパラメータの形式は
正規化した周波数、S11実部、S11虚部、S21実部、S21虚部
のような形で(データ数、200、5)のような形式なので、ダミーの次元を1つ付け加えて画像のように扱う。reshapeしている部分がそれに相当する。
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
from sklearn.model_selection import train_test_split
import os
os.environ["KERAS_BACKEND"] = "tensorflow"
import keras
data_label = np.load("data_label.npz")
data = data_label["data"].reshape(-1,200,5,1)
label = data_label["label"]
x_train, x_test, y_train, y_test = train_test_split(data, label, test_size=0.3, random_state=0)
|
CNNのモデルは以下の通り。
# Functional APIでCNNを設定
inputs = keras.Input(shape=(200, 5, 1))
x = keras.layers.Conv2D(64, kernel_size=(10, 2), activation="relu")(inputs)
x = keras.layers.Conv2D(64, kernel_size=(10, 4), activation="relu")(x)
x = keras.layers.Flatten()(x)
outputs = keras.layers.Dense(6)(x)
# モデルの設定
model = keras.Model(inputs=inputs, outputs=outputs)
model.compile(loss = 'mean_squared_error' ,optimizer=keras.optimizers.Adam())
model.summary()
|
これでfitして学習させると
batch_size = 32
epochs = 300
keras.utils.set_random_seed(1)
history = model.fit(
x_train,
y_train,
batch_size=batch_size,
epochs=epochs,
validation_split=0.15,
)
y_pred = model.predict(x_test)
metric = keras.metrics.R2Score()
metric.update_state(y_test, y_pred)
result = metric.result()
print(result)
error = np.abs((y_test - y_pred)/y_test*100)
print(error.mean(axis=0))
|
R2は0.9955で、推定値と正解をプロットした結果はこうなった。
うーん、DNNよりちょっと良くなったけど数倍時間掛かってるしな。とりあえず次はRNN(回帰型ニューラルネットワーク)を試してみよう。
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