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2024年10月10日 (木)

Google Colab(Colaboratory)でPythonの高周波用ライブラリscikit-rfを使う(3) 評価基板のインピーダンスずれ、不整合部分が一目でわかるTDR(Time Domain Reflectometry)を試す。データはQucsStudioで伝送線路モデルを作って実施。TDRデータをCSVファイルで保存する方法も。

今回はTDR。データは伝送線路がとても分かりやすいのでそれでいこう。

scikit-rfにもモデルを作る機能はあるのだが、それはまた別の機会ということで今回はKeysightのADSによく似た操作の高周波シミュレータ、QucsStudioを使う。

こんな回路。

Scikitrf301

ポート1にSMAコネクタがついていて、その芯線とマイクロストリップラインの接続部が不整合があってL,Cで表している。そして特性インピーダンス50Ωからずれているマイクロストリップラインがあって、反対側のポート2も同じ構造をしているようなモデル。こういうのが典型的な評価ボード(EVB)のThruの例。

特性はこんな感じで、TransmissionLine.s2pとしてGoogleドライブに保存しておく。

Scikitrf302

Google ColabでまずそのSパラメータを読むところまでは前回、前々回と同じ。

Scikitrf303

!pip install scikit-rf

from google.colab import drive
drive.mount('/content/drive')

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
import skrf as rf
rf.stylely()

path = "/content/drive/MyDrive/Colab Notebooks/"
tl = rf.Network(path + "TransmissionLine.s2p", f_unit="GHz")
tl.plot_s_db(m = 0, n = 0)
tl.plot_s_db(m = 1, n = 0)
Scikitrf304
周波数領域から時間領域に直すにはDC成分が必要だが、ネットワークアナライザではDCは測定できない。なのでDCは補外する。
線形補外するには、
tl_dc = tl.extrapolate_to_dc(kind='linear')
とすればいい(他のオプションもあり)。
ここからTDRにするにはものすごく簡単で、
tl_dc.plot_z_time_step(m=0, n=0)
plt.xlim(-0.5, 2)
とすればいい。
結果はこちら。
Scikitrf305
シャントCがあるとインピーダンスが下がり、シリーズLがあるとインピーダンスがあがり、そしてマイクロストリップライン部分はインピーダンスがずれている、というのが非常にわかりやすくなっている。
図示するだけならこれでいいが、数値データとして保存したいのと、windowingやPaddingがこれではできない。
そこでいったんS11のステップ応答を計算してからインピーダンスに直す方法もある。
Scikitrf306
t, s11 = tl_dc.s11.step_response(window="hamming", pad=0)
t *= 1e9
Z = 50.0 * (1 + s11)/(1 - s11)
plt.plot(t, Z)
plt.xlabel("Time (ns)")
plt.ylabel("Z(Ohm)")
plt.xlim(-0.5, 2)
こちらの方が自由度が高いのでお勧め。CSVファイルに保存するには
np.savetxt(path + "TDR.csv", np.array([t, Z]).T, delimiter=",")
とすればいい。
次回は…De-embeddingかCalibrationかな。

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