高周波エンジニアのためのAI・機械学習入門(16)パッチアンテナ設計モジュールをPythonで作ったので、パッチ寸法(幅、長さ)、基板厚み、共振周波数を与えて比誘電率を回帰で予測するための準備としてモンテカルロシミュレーションを行う。
これまで高周波への機械学習応用としてはフィルタを中心にやってきた。
パッチアンテナ設計モジュールをPythonで作ったので、今度はパッチアンテナにディープラーニングを適用してみる。
作ったツールは、基板厚み、比誘電率、共振周波数を与えてパッチ寸法(幅、長さ)を与えるものなので、パッチ寸法(幅、長さ)、基板厚み、共振周波数を与えて比誘電率を予測してみよう。こういうのは簡易誘電率測定に使える。
まず今回はデータをモンテカルロシミュレーションで作る。以下のような感じで10000個。
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
import patchantenna as pa
#モンテカルロシミュレーションでは基板比誘電率、厚み、中心周波数を乱数で振るが、それの最大最小
ermin = 2.0
ermax = 10.0
hmin = 0.1
hmax = 1.0
f0min = 1
f0max = 10
#モンテカルロシミュレーションでデータ作成して保存する。
N = 10000
np.random.seed(1)
data = np.empty((0, 4))
label = np.empty((0, 1))
for i in range(N):
er = ermin + (ermax - ermin) * np.random.rand()
h = hmin + (hmax - hmin) * np.random.rand()
f0 = f0min + (f0max - f0min) * np.random.rand()
ant = pa.PatchAntenna(er, h, f0)
w = ant.width
l = ant.length
data = np.vstack((data, np.array([w, l, h, f0])))
label = np.vstack((label, er))
#保存
np.savez_compressed("patchantenna.npz", data=data, label=label)
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これはフィルタのモンテカルロシミュレーションよりもっと簡単。計算も一瞬で出来た。
次はこのデータを使ってDNN(Deep Neural Networks)をやってみよう(続く)。
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