Pythonと高周波ライブラリscikit-rfを使って同軸コネクタ→同軸・基板接続不連続(LとC)→伝送線路(マイクロストリップライン)のような構成の測定治具のSパラメータ、特性インピーダンスを出力する関数を作る。後で機械学習に使うための準備。
LCフィルタ、パッチアンテナの次は伝送線路(マイクロストリップライン)と同軸コネクタ(SMAなど)を含む測定治具をやってみよう。
uSimmics(旧名QucsStudio)で以前やってみたこんな構成をPythonとscikit-rfで実施するイメージ。
さっそく関数を紹介すると(もうコメントに説明があるので詳しくは略)、
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
import skrf as rf
from skrf.media import Coaxial, MLine
rf.stylely()
def mesurement_jig(fstart, fstop, n, coaxial_length, cap, ind, width, length, height, er):
"""
測定治具を模したSパラメータ及び基板の特性インピーダンスを返す関数
測定治具は
同軸コネクタ→シャントC→シリーズL
→基板に形成されたマイクロストリップライン
→シリーズL→シャントC→同軸コネクタの構成
導体損・tanδは今回は固定されている。
Parameters
----------
fstart : float
最低周波数[GHz]
fstop : float
最高周波数[GHz]
n : int
周波数分割数
coaxial_length : float
同軸コネクタ部分の長さ[mm]
cap : float
同軸コネクタ・基板接続部キャパシタンス[pF]
ind : float
同軸コネクタ・基板接続部インダクタンス[nH]
width : float
線路幅[mm]
length : float
線路長さ[mm]
height : float
基板厚み[mm]
er : float
基板比誘電率
Returns
-------
Stl : scikit-rfのNetwork
測定治具のSパラメータ
z0 : float
中央周波数の特性インピーダンス
"""
#周波数範囲設定
freq = rf.Frequency(fstart, fstop, n, "GHz")
#同軸コネクタのパラメータ(SMA相当)
coax = Coaxial(frequency=freq, Dint=1.3e-3, Dout = 4.59e-3, epsilon_r=2.29, tan_delta=4e-4, sigma=1/0.022e-6, z0_port=50)
#マイクロストリップラインのパラメータ
msl = MLine(frequency=freq, z0_port=50, w=width*1e-3, h=height*1e-3, t=35e-6, ep_r=er, tand=0.01, rho=1e-8, rough=0.127e-6)
#同軸コネクタの長さ決定
coax_line = coax.line(coaxial_length, unit="mm", name="coax_line")
#マイクロストリップラインの長さ決定
msl_line = msl.line(length, unit="mm", name = "msl_line")
#同軸コネクタと基板の接続部のLC
C = msl.shunt_capacitor(cap * 1e-12)
L = msl.inductor(ind * 1e-9)
#Casccade接続する
Stl = coax_line ** C ** L ** msl_line ** L ** C ** coax_line
Stl.name = "Measurement jig"
#中心周波数の基板の特性インピーダンスを求める。
z0 = msl.z0[n // 2].real
return Stl, z0
|
これで、例えば基板のインピーダンスは同じとしてL,Cを変えた場合のS11を見ると、
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