RF Weekly Digest 2026/8/23-8/30 (Codex(GPT-5.6 Sol)によるRF情報週刊まとめ)
Weekly intelligence for radio-frequency engineering
RF Weekly Digest
2026年8月24日〜8月30日(JST)|英語情報を先に要約し、日本語訳とRF視点を併記
Executive summary
今週は「高周波の実装」が主役だった。Taoglasはガラス面に貼れる透明な5G/Wi-Fi/GNSSアンテナ、HUBER+SUHNERは81 GHzまでの金属化プラスチック3D導波管アンテナを提示。KeysightとAttoTudeは100 GHz〜3 THzのASIC設計期間を6週間未満へ短縮した事例を公開し、AMDはRF SoCへUCIe 1.1を導入する計画を示した。
送信系ではMini-Circuitsの10 MHz〜6 GHz/2.5 GHz広帯域GaN MMIC PAとGuerrilla RFの150 W GaN-on-SiC HEMTが目立つ。受信系ではIEEE Solid-State Circuits Lettersに、2.8 GHz LNAへ自己ミキシング型電力検出器を統合するIoT向け回路が登場した。新しい3GPP/ITU/ATIS仕様公開は確認できなかった。
今週の注目情報
Taoglas、透明面に貼れる5G/Wi-Fi/GNSSアンテナ
日本語訳: Taoglasは、ガラス、表示器、透明樹脂へ直接貼り付けるInvisible Antenna群を紹介した。TFX125はマルチバンドGNSS、TFX62は広帯域セルラー/5G、TFX257はWi-Fiを担当し、透明フィルム型の製品は量産中としている。
RF視点: 車窓、デジタルサイネージ、駐車メーターで外観とアンテナ配置自由度を両立する。透明導体のシート抵抗、ガラス誘電率、金属枠、貼付位置による離調は完成機で確認が必要。
Source: everything RF / TaoglasHUBER+SUHNER、81 GHz対応3D導波管アンテナ技術を拡張
日本語訳: HUBER+SUHNERは、81 GHzまでの車載レーダー用金属化プラスチック3D導波管アンテナを説明した。成形とメタライズで内部導波路を作り、小型モジュール内で低損失・高効率・高利得を狙う。基盤技術は950 GHzまでの実証歴もある。
RF視点: アンテナ・給電路・筐体を立体成形で一体化できれば部品点数と損失を抑えられる。公表記事はポートフォリオ紹介であり、81 GHz量産品の利得、損失、温度サイクル後の数値は個別確認が必要。
Source: everything RF / HUBER+SUHNERAttoTude、100 GHz〜3 THz ASICの設計期間を50%以上短縮
日本語訳: AttoTudeは、100 GHz〜3 THzの誘電体導波インターコネクトASIC設計にKeysight ADSと設計データ管理を全面利用した。Keysightによると、設計期間は6週間未満、従来比50%以上短縮し、レーン当たり200G/400G/800Gで初回シリコンが仕様を満たした。
RF視点: レイアウト、EMモデル、回路、測定相関を一つの版管理環境へまとめた点が重要。性能値はKeysightの顧客事例であり、独立したベンチマークではない。
Source: everything RF / KeysightAMD、Versal RF SeriesにUCIe 1.1とマルチTbps級接続
日本語訳: AMDは一部Versal RF SeriesへUCIe 1.1を内蔵し、最大4本のUCIe-SPと2本のUCIe-AP、パッケージ内合計マルチTbps帯域を提供する計画。RF AFE/コンバーター、AI、CPU、セキュリティなどのチップレットを想定し、量産は2027年第4四半期予定。
RF視点: 高速ADC/DACとDSPの近くに用途別シリコンを置き、基板配線の電力・遅延・面積を減らす方向。ただし現時点はロードマップで、RFアイソレーションや熱密度を含む実装性能は未確定。
Source: everything RF / AMDMini-Circuits、10 MHz始まりの広帯域GaN MMIC PAを2種
日本語訳: Mini-Circuitsは28 V、50 Ω内部整合のGaN-on-SiC MMIC PAを2種投入した。GNA-63-5W+は10 MHz〜6 GHz、6 W超、利得12 dB、代表PAE 35%。GNA-252-5W+は10 MHz〜2.5 GHz、8 W超、利得13.5 dB、代表PAE 47%。
RF視点: 広帯域EW、試験、衛星、セルラーインフラのドライバ/最終段に使いやすい。公称PAEは周波数と出力バックオフで変わるため、マルチキャリア用途ではIMDと熱設計を優先して評価したい。
Source: everything RF / Mini-CircuitsGuerrilla RF、DC〜3.2 GHz・150 WのGaN-on-SiC HEMT
日本語訳: Guerrilla RFは、DC〜3.2 GHzでP3dB出力150 Wの非整合ディスクリートGaN-on-SiC HEMT「GRF0150」を発表した。CW、パルス、線形動作に対応し、基準ドレイン電圧50 V、標準ACCパッケージを採用する。
RF視点: 非整合品のため、周波数・帯域・効率・高調波を用途別整合回路で設計できる反面、ロードプル、安定化、熱抵抗、パッケージ寄生の検証負担は大きい。
Source: everything RF / Guerrilla RFRFエナジーハーベスティング、2030年に30億IoT機器の潜在市場
日本語訳: Transforma Insightsは、2030年のIoT接続機器の約1割、最大30億台がRFエナジーハーベスティングを利用し得ると予測する。在庫管理・監視が17.2億台、全体の59%を占める。得られる電力は通常µW〜低mWで、専用RF送信源が必要な場合も多い。
RF視点: 「周囲のWi-Fiだけで何でも動く」という話ではなく、低デューティのBLE/Zigbeeタグ、ESL、簡易センサーが中心。整流効率、受信電力密度、アンテナ面積、人体曝露・規制を同時に見る必要がある。
Source: everything RF / Transforma InsightsQualcomm、国内ロボティクス拠点とArduino VENTUNO Qを発表
日本語訳: QualcommはQualcomm Japan Robotics Centerを中核とする国内ロボティクス長期投資構想を発表。同日、子会社ArduinoはDragonwing IQ-8275とSTM32H5リアルタイムMCUを組み合わせるVENTUNO Qの予約を開始し、ロボット、産業エッジAI、スマートシティを狙う。
RF視点: 今週のQualcomm発表はRFフロントエンド新製品ではない。とはいえ、物理AI機器ではWi-Fi/Bluetooth/セルラー接続、EMC、モーター雑音とアンテナ配置が量産段階の重要課題になる。
Source: Qualcomm Japan initiative · VENTUNO QQorvo、RFデバイス向けElite360ウェハ/ダイ前処理サービス
日本語訳: QorvoはElite360ウェハ/ダイ前処理サービスを公開し、ウェハ後工程とパッケージ工程の間を一体化する。薄化、ダイシング、検査、ハンドリングなどをまとめ、RFデバイス製造の受け渡しリスク低減を狙う。
RF視点: 新しいSAW/BAW/PAではなく製造サービスの更新。高周波デバイスでは裏面厚、ダイエッジ、接地、熱経路がRF性能と歩留まりへ直結するため、後工程の一貫性は設計値の再現性に効く。
Source: everything RF / QorvoResearch watch
1.58/2.6 THz MIMOアンテナのアイソレーションを機械学習で予測
日本語訳: Scientific Reports論文は、ポリイミド上グラフェンパッチの2ポートMIMOアンテナを提案し、1.58/2.6 THzで動作する。利得6〜6.5 dBi、2.6 THz付近で最大−18 dB、1〜1.5 THzで−25〜−45 dBのアイソレーションを報告。勾配ブースティング代理モデルは周波数・素子間隔からS21をR² 99.99%で予測した。
RF視点: HFSSパラメトリック探索をMLで置き換える設計手法が主眼。公表内容はシミュレーション中心で、THz実測、給電、材料ばらつき、パッケージ損失を含む6Gリンク実証ではない。
Source: Scientific Reports2.8 GHz LNAに自己ミキシング型RF電力検出器を統合
日本語訳: IEEE Solid-State Circuits LettersのEarly Access論文は、2.8 GHz低消費電力CMOS LNAへ直接変換型の自己ミキシング電力検出器を組み込んだ。LNA内部2ノードをRF/LO入力として再利用し、専用LO発生器やカプラなしでRF電力監視を行う。
RF視点: IoT無線の自己診断や適応バイアスへつながる回路。検索可能な抄録はEarly Access 1ページ表記で、利得、NF、消費電力、検出範囲の全数値はIEEE Xplore本文で確認が必要。
Source: IEEE Solid-State Circuits Society · DOIComponent & market radar
KAGA FEI EC4L15MA1
2.402〜2.480 GHz、+7 dBm、最大2 Mbps、nRF54L15、アンテナ内蔵。9.6 × 12.9 × 2.0 mmで最大8台同時接続、PSA Level 3対応。
Product indexNXP UCODE-NXM
860〜960 MHz、読取感度−24 dBm、書込感度−22 dBm。拡張メモリ、ECC、プライバシー機能を備え、物流・DPP・製造追跡を想定。
Product indexAbracon AANI-CH-0212
902〜928 MHzの小型チップアンテナ。狭いIoT機器への組込み向け。実装基板寸法、グランド、マッチング条件はデータシートで要確認。
Product indexSamtec 100-CM Series
1.0 mm圧縮実装コネクタ、DC〜120 GHz。高周波評価基板やVNA測定向け。基板遷移と締結再現性が測定不確かさを左右する。
Product indexAmpliTech、SATCOM向けMMICを3件設計採用
フェーズドアレイ衛星通信プラットフォーム向けGaAs MMICの採用。製品型番や周波数・NF・出力の詳細は発表時点で限定的。
SourceLTE Cat 1bis技術eBook
単一受信アンテナでBOMを抑えるCat 1bisの基礎、従来Cat 1/NB-IoT/LTE-Mとの差をまとめた業界資料。新規規格ではなく設計参考情報。
Source製品値はメーカー/製品索引の公称値。量産採用前に最新版データシート、評価条件、熱設計、認証状態を確認してください。
Device teardown watch
Pixel 11 Pro XL:前後から開ける修理性重視の内部構造
日本語訳: JerryRigEverythingの9分14秒動画では、Pixel 11 Pro XLを画面側・背面側の両方から開けられる。画面、充電コイル付き背面、バッテリー、カメラ、HiLight LEDへ比較的アクセスしやすく、曲げ試験にも耐えた。一方、耐傷コーティングの効果は試験上限定的だった。
RF視点: 背面充電コイル、磁石、カメラ、熱拡散材、アンテナ領域の近接実装を確認できる。ただし動画はRFフロントエンド部品の型番同定やSパラメータ解析ではない。
Watch: JerryRigEverything on YouTube · Supporting summaryGalaxy Z Fold8 Ultra:薄型化と折り畳み表示部の耐久トレードオフ
日本語訳: 12分35秒の動画はGalaxy Z Fold8 Ultraの耐久試験後に分解も行う。外装は初期試験に耐えたが、2回目の逆方向曲げで内側折り畳み画面が故障。展開時4.1 mmの筐体内にあるヒンジ、2画面構造、シールド、熱材料を確認できる。
RF視点: 超薄型折り畳みではアンテナ、フレックス、シールド、ヒンジ、グランド連続性の共存が難しい。破壊試験は通常使用を再現するものではなく、故障原因も動画だけでは断定できない。
Watch: JerryRigEverything videos · Supporting summary« 蕎麦屋のサンジ(阪急塚口駅内)でトマトつけ麺をいただく。冷たくて濃厚なトマトと水菜・玉ねぎがよく合う。粋麺あみ乃や(近鉄大和西大寺駅内)で冷やし中華をいただく。ハムじゃなくて鶏肉なのがいい。若菜そば(阪急十三駅内)できつねそばをいただく。 | トップページ | 高周波エンジニアのためのAI・機械学習入門(GPU編44) PythonのStable-Baselines-3を使ってLCバンドパスフィルタの素子値を強化学習で最適化する。今回はSAC(Soft-Actor-Critic)を試す。 »
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