書籍・雑誌

2025年3月19日 (水)

Interface 2025年4月号 ~Pythonで学ぶ制御~を買った。倒立振り子、ロボ、モーターやドローンをシミュレーション、実機で実際に動かして学べるもので、PID、LQR、カルマンフィルタ、AIまでの手法と制御の歴史もついていて話題が豊富。sympy.physics.mechanicsを初めて知った。

いろんな分野のエンジニアリングをやってきたが制御はやったことないな、と思って買ってきた。

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まずは倒立振り子からだがExcelから始まりPythonを導入。

sympy.physics.mechanicsというのがあって、ラグランジアンから運動方程式を出してくれるというのを初めて知った。

(displayで出そうとするといつまでたっても終わらないのでlatexで吐き出してマークダウンで書いた)

Control1

でまずはPID制御から。アニメにもなってる。

そこから実機の倒立ロボットの製作、状態空間モデル、現代制御のLQR、モーターのベクトル制御、

マルチローター・ヘリやAIによる制御、制御の歴史など話題が豊富でなかなか面白かった。

Pythonのcontrolモジュールも初めて知ったが、ただslycotというのがインストールできない…wsl2でないとだめなのかな。

 

2025年3月13日 (木)

「謎の香りはパン屋から」を読んだ。パン屋でバイトする女子大生がパン屋で起きるちょっとした謎を解き明かす作品。舞台が豊中なので阪急オアシス、石橋商店街、蛍池とか出てきて笑った。本格ミステリというのではないですが、とにかく空気感や「小説柄」がいい小説でした。

「このミステリーがすごい!」大賞を取ったということで本屋さんで平積みになっていたのを買ってようやく読めた。

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連作短編5作からなる小説で、あらすじはこれ。

大学一年生の市倉小春は漫画家を目指しつつ、大阪府豊中市にあるパン屋〈ノスティモ〉でアルバイトをしていた。あるとき、同じパン屋で働いている親友の由貴子に、一緒に行くはずだったライブビューイングをドタキャンされてしまう。誘ってきたのは彼女のほうなのにどうして?疑問に思った小春は、彼女の行動を振り返り、意外な真相に辿りつく……。

とにかく豊中付近は私もよく知っているところなので親近感。阪急オアシスが出てきたときは笑った。もちろん阪急電車も出てくる。

解く謎がちょっとしたもので、それもちょっと強引?と思うのもあったがこれはそういうことを楽しむ話ではなくて、柔らかい空気感とか、雰囲気、登場人物たちの心情、そしてパンを楽しむお話で結構面白かった。選考理由で人柄ならぬ小説柄がいい、というのが出てたのはなるほどと納得。人が死なないミステリが読みたい方はぜひ。

2025年3月 6日 (木)

日経サイエンス2025年4月号(量子力学100年の難問 観測問題)を買った。ウィグナーのAI友人やボーム力学の復活?など。いろんな雑誌が量子力学特集していて、科学は著名な学者の多彩な話題、ニュートンは一般にわかりやすく、数理科学は理系学生向けにそれを高度にした感じ。

サイエンスも量子力学特集していたので買ってみた。

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観測問題に特化しているのが面白い。内容は

【特集:量子力学100年の難問 観測問題】
量子の見えない世界と我々が見ている世界はどのようにつながっているか 谷村省吾氏に聞く

シュレーディンガーの猫は量子AI で救えるか

 量子コンピュータにウィグナーの友人の友人役をやらせるのは面白い。

電子はいつ到着したのか

 ボーム力学ってもう否定されていたと思ったが復活している?

またもうひとつの特集は古人類学の半世紀で、ルーシー、ホビットの面白い話題が書かれている。

ーーー

 科学2024年8月号 量子力学100年の展開を買ってきた。錚々たる執筆陣がバラエティに富んだ話題のお話を書かれていて面白かった。量子重力はラスボス(大栗さん)、光格子時計は卵パック(香取さん)、そしてフォン・ノイマンはすごすぎる(河東さん、田崎さん)

Newton2025年2月号の特集は量子力学100年。プランク、アインシュタインから始まり量子電磁力学、BSC、トランジスタと言った話題や昨日NHKでもやっていた量子もつれや量子コンピュータなど様々な話題が2ページずつわかりやすく書かれている。今年はこの特集の本多いな。

数理科学 量子力学の軌跡 現代的視点で捉えなおす100年の歩みを買った。1969年の数理科学で山内恭彦、朝永振一郎らが座談会をしていたとか、湯川は最初、核力を電子起源として仁科からアドバイスもらったとか、マクロな状態の重ね合わせやFeynmannおそるべし、とか面白い。

2025年2月 6日 (木)

「愚かな薔薇」(恩田陸さん)上下巻、面白くて一気に読んだ。磐座という地で行われるキャンプに少年少女たちが集められる冒頭から想像もできない展開に。帯の通り、ホラー、ファンタジー、SF、青春小説の要素がうまく一体化している。あの物理の概念をこう使うのは初めて見た!

書店で大量に平積みされていて恩田陸さん人気がよくわかる。私も買って一気に読んだ。面白かった。

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あらすじは

母方の故郷・磐座を訪れた少女・奈智は、
あるキャンプに参加。その目的は――?
吐血、変質して、どうなる?

というもの。これ以上は事前に情報仕入れない方がいいと思います。

前半は近未来青春小説?と思ったら七夕の国のようなホラー、いやドラキュラのようなホラーファンタジー?と思っていたらいきなりSF(グレッグ・イーガンなのか?幼年期の終わりなのか?)になる。しかもある物理の概念が重要な役割をはたしていたりする。

とにかく面白いのでお勧めです。

 

2025年1月31日 (金)

数理科学2025年1月号 原子核・ハドロン物理学の探究 “強い力”がもたらす物理の世界を買ってきた。QCDの歴史からカイラル量子異常、カラー閉じ込め、エキゾチックハドロン、中性子星など多くの話題が載ってます。格子QCDで核力計算できるのとElectron-Ion Colliderが面白かった。

学生時代、実はQCDを研究したかったが最終的に物性理論になったということでQCDにはいつも興味がある。

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内容と一言感想。

・クォークから中性子星へ 初田哲男

 南部陽一郎さんはやっぱりすごい。

・原子核の発見から現代物理へ ~ 湯川理論,素粒子,物性,宇宙への拡がり ~ 福嶋健二

 QCDの歴史と、カイラル量子異常、磁気ヘリシティについてわかりやすく書かれてます。

・量子色力学~ 強い相互作用,カラー閉じ込め,カイラル対称性の自発的破れ ~日高義将

 漸近的自由性やカラー閉じ込め、エキゾチックハドロンの解説でこれもわかりやすい。

・核力研究~ 量子色力学に基づくハドロン間力の導出に向けて ~ 土井琢身

 格子QCDで核力が計算できるようになっているのか!(京や富岳を使って)

・エキゾチックハドロン研究の数理 兵藤哲雄

 エキゾチックハドロン、名前は聞くけど詳しく知らなかったので面白かった。

・原子核での魔法数 ~ その始まりからエキゾチック核研究の最前線へ ~吉田賢市

 エキゾチック原子核にも魔法数があるのか!

・原子核・ハドロン研究と中性子星 橘 基

 中性子星ともQCDが深く関わるのは面白い。カラー超伝導も。

・宇宙初期のビッグバンとクォーク・グルーオン・プラズマ 野中千穂

 QGPってもう実験で確認されていたのは知らなかった。

・核子構造研究の最前線 ~ 高エネルギー電子‒核子(電子‒原子核)反応の未来 ~ 八田佳孝

 EIC、期待したいな。特に核子の質量の起源や、スピン危機
コラム
・量子コンピュータと原子核構造 吉田聡太

 なるほど核子系を量子コンピュータで計算する話があるのか。

・ランダム行列と原子核 萩野浩一

 SYK模型とも関連するのか。

・カラー超伝導 飯田 圭

 上でも出てきたカラー超伝導についてより詳しい解説。・格子ゲージ理論の最前線 伊藤悦子

 2カラーQCDは全く知らなかった。

2025年1月29日 (水)

Interface 2025年3月号 仕事のための生成AI 画像による異常検出&ローカルLLM作りを買った。確かに外観検査で不良品の画像を大量に集めるのは難しいのでそれを生成AI(Stable Diffusion)で作れたらいいな。付録は共通テストでも出た情報Iに役立つプログラム入門。

Interfaceの今月号買ってきた。

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画像の生成AIにはあまり興味がなかったけれど、こういう使い方(不良品の画像を生成AIで作る)ができるのは知らなかった。

どのくらい役立つかは未知数(分野によると思う。ものすごく厳しい分野はある)だけど面白いと思った。

目次は以下に。ものすごく内容が豊富。情報Iの学習に役立ちそうな付録もついてる。

 

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2025年1月16日 (木)

「トライロバレット」(佐藤究さん)を読んだ。すごかった。三葉虫に魅せられた高校生がいじめの標的にされ、一方、戦争帰りの金物屋の店主は高校の上を軍用ヘリが飛んでいるという幻聴に悩まされ…一体これがどうつながるのか?と思ったら帯通り「少年は、変身した。」ヒーローに。

佐藤究さんの作品ではAnk:a mirroring apeが一番好き。しかしこのトライロバレットもめちゃ面白かった。

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あらすじは「バーナム・クロネッカーはアメリカ合衆国ユタ州のウィットロー高校に通う17歳の少年。彼は8歳のとき三葉虫に魅せられ、今ではその化石を熱心に集めつつ、静かな高校生活を送っている。そんなバーナムへのいやがらせが、ある日突然にはじまった。ロッカーの扉を接着され、頭にジャガイモをぶつけられる。体育会系の人気者コール・アボットのしわざだった。バーナムは、コールの行為を〈攻撃〉と呼ぶ謎めいた同級生、タキオ・グリーンと友人になる。そのときすでに、バーナムを驚愕の事件へといざなう運命の歯車は回りだしていた……

というもの。

クロネッカーはクロネッカーのデルタとは関係ない、と作中でも出てくる。

とにかくバーナムが嫌がらせを受けるシーンが凄惨。同じくいじめを受けていたアキオと親しくなることだけが救い(だが最後に想像もしていなかった真実が明かされる)。

戦争から帰ってきた金物屋の主人が高校を襲うんだろうなというのは目次からわかるのだが(エピソード1:超三葉虫仮説、エピソード2:ウィットロー高校銃乱射事件)、いったいこれと三葉虫、バーナム、アキオがどう関係してくるのか全く途中までわからない。

そして帯通り変身するのだがこれも想像してない形だった。ラストも。

これはすごいです。薄いのですぐ読めるのでお勧め。

 

2024年12月30日 (月)

Newton2025年2月号の特集は量子力学100年。プランク、アインシュタインから始まり量子電磁力学、BSC、トランジスタと言った話題や昨日NHKでもやっていた量子もつれや量子コンピュータなど様々な話題が2ページずつわかりやすく書かれている。今年はこの特集の本多いな。

量子力学100年という特集をいろいろな雑誌がしている。科学数理科学は買って読んだがNewtonの特集もそうだということで購入。現代化学の特集もそうらしい。

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Newtonは先に読んだ2誌よりずっと一般向けなので一切数式なしに2ページずつで物理学者とその業績をわかりやすく紹介している。

実は最初の広告ページからNGKがガラスで量子力学の話をしていたり。

プランク→アインシュタイン→ドブロイ→ハイゼンベルク→シュレーディンガー→ディラック→不確定性原理→コペンハーゲン解釈→量子もつれ(昨日NHKスペシャルでもやっていた)から

仁科芳雄、朝永振一郎、ファインマンなどの紹介やトランジスタ、BCS理論、南部陽一郎、江崎ダイオード、量子コンピュータなど52ページで幅広い話題を扱っている。

高校生や理系ではないが興味がある大人にはとってもいい特集なのではなかろうか。

その他レオナルドダヴィンチの解説や猫の心理学、母体の神秘など面白い話題が多かった。

2024年12月20日 (金)

ペッパーズ・ゴースト(伊坂幸太郎さん)を読んだ。他人の未来を見ることができる国語教師と、教え子が書いた猫を虐待していた奴らに罰を与える2人組の小説が驚きの展開で重なり、過去のテロ事件やマスコミ報道、ニーチェの言葉とも重なりさらに驚きの真相に。面白かった!

書店でものすごい数が平積みされていて、伊坂さん人気がよくわかる。

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あらすじは「中学教師の檀は、猫を愛する妙な二人組の小説原稿を生徒から渡される。さらに他人の未来を観る力を持つことから謎の集団とも関わり始め……。苦い過去を乗り越えて檀先生は、世界を、自分を救えるのか!?

というもの。檀先生の未来を見る能力<先行上映>は他人の飛沫をあびる!ことで発生するもので、それを得るための苦労が面白い。

また教え子の女子が書いてきた小説(猫を虐待していたり、その動画に賛辞を送っていた連中を2人組の猫好きな男たちが復習していく)が交互に挟まる展開で、これ全然関係ないじゃない、と思ったら驚きの展開でクロスオーバー。なるほど、やっぱり伏線がはってあった。

テロや、近年のマスコミ報道とかの批判にもつながる話もあり、そしてなんとニーチェのツァラトゥストラも重要な役割を果たす。

ラストの真相はそのニーチェの言葉が伏線にもなっていた。びっくり。やっぱり伊坂さんは面白い。タイトルの意味もそこで分かる。

ペッパーズゴーストはディズニーのホーンテッドマンションのゴーストに使われているそう。

https://castel.jp/p/1860

伏線と言えば部長のが一番好きだったり。お勧めです。

2024年12月19日 (木)

数理科学 量子力学の軌跡 現代的視点で捉えなおす100年の歩みを買った。1969年の数理科学で山内恭彦、朝永振一郎らが座談会をしていたとか、湯川は最初、核力を電子起源として仁科からアドバイスもらったとか、マクロな状態の重ね合わせやFeynmannおそるべし、とか面白い。

数理科学2025年1月号 量子力学の軌跡 現代的視点で捉えなおす100年の歩みを買った。

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内容は

巻頭言 ~ 量子力学の建設から百年を迎えて ~ 筒井 泉

 どこから数えて100年?と思ったらハイゼンベルクの行列力学が出てからだそうです。


量子論から量子力学へ 山本義隆

 山本さんらしく歴史的なことがとても詳しいのと、最後のFeynmannおそるべしである、が面白い。


量子力学と素粒子論の成り立ち 米谷民明

 湯川さんが中間子のもとになる発表をしたとき、電子を考えていたが仁科さんからボソンを考えた方がいいというアドバイスがあったのは知らなかった。また朝永さんは繰り込みのことを自己無撞着引算法と呼んでいたことも。


日本における量子力学の受容 伊藤憲二

 1969年の数理科学で山内恭彦、朝永振一郎、山口嘉夫、西島和彦が量子力学についての座談会をしていたのはすごい。


量子力学のユニークさ ~ 量子力学は他の物理学理論とどう違うか ~ 谷村省吾

 基礎から応用まで分かりやすく書かれていて面白かった。


量子と物理 ~ マクロ系における量子力学 ~ 清水 明

 マクロな重ね合わせのことは初めて知った。

量子力学の基礎問題 ~ 現状と新たな展開 ~ 木村 元

 ベル定理から情報因果律まで最新の状況まで含めて読めたのは初めて。

量子と情報 ~ 量子情報科学の創成期の人々とその後の発展 ~ 井元信之

 量子マネー面白い。また量子コンピュータ、FTQCまで書かれていて参考になる。

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