書籍・雑誌

2020年1月20日 (月)

東京の子(藤井太洋さん)を読んだ。東京オリンピックが終わった2023年、外国人労働者や日本の正社員・派遣社員などはどうなるのか?の起こりうる社会を描いた作品。

藤井太洋さんと言えば近未来に実現しうるテクノロジーをうまく小説にされるので非常に好きな作家さんなのですが、

今回は近未来でもテクノロジーではなく、社会(社会システムというか)を描いた作品です。主人公が技術者でも科学者でもなく、パルクールの名手だし。

しかも東京オリンピックが終わって

3年後ということで非常にリアル。こういうことがあってもおかしくないなと。

あらすじは

「2023年、東京。パルクール・パフォーマー(Youtuber!)を15歳で引退した舟津怜は戸籍を買い、過去を隠して仮部諫牟として新たな人生を歩んでいた。何でも屋として生計を立てる彼は失踪したベトナム人、ファム・チ=リンの捜索を依頼される。「東京デュアル」内のベトナム料理屋で働く彼女だったが、実はバイオ分野で博士号を持つ美貌の科学者だった。オリンピックの跡地に生まれた理想の大学校、東京デュアル。そこでは学生たちが勉強と共に、労働基準法を離れた特区として企業で働けるところだった。しかしファムはデュアルの実情を告白しようとする。デュアルは学生を人身売買しているのだという、、、果たしてそれは事実なのか?」

というもの。

派手なテクノロジーは出てこない分、パルクールのしなやかな動きや、社会、労働者がどうなっていくかのシミュレーションが非常に興味深く読めました。

実際に似たようなことが起こっても驚かない、、、

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2020年1月 7日 (火)

講談社のブックドア不動産の間取り図は何のミステリ小説か?

「伝説の建築家・中村青司の代表作」「絶海の孤島の7LDK」 今にも密室殺人が起きそうな「ブックドア不動産」の間取り図がすごい

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2001/07/news138.html

というのを見た。

おお、ミステリ好きの私はほとんど読んでいるものばかりなのだ(じつは女王の百年密室と紅蓮館の殺人は読んでないが説明でわかったり)。まとめておくと、

十角館の殺人
眼球堂の殺人
星降り山荘の殺人
斜め屋敷の犯罪
長い家の殺人
紅蓮館の殺人
りら荘事件
女王の百年密室

アマゾンのリンクはこちら:

2019年12月22日 (日)

medium(メディウム) 霊媒探偵 城塚翡翠(相沢沙呼さん)を読んだ。これはすごいな。。。霊媒の女性の言葉を推理作家が論理の力で具現化して事件を解決する話、、、と途中まで思ってたが全然違う!ラノベの皮を被った超本格論理ミステリ。

ミステリの賞を総なめなのも納得の驚きの作品でした。

最終話までは「推理作家の香月史郎は霊媒師である城塚翡翠に出会う。彼女は死者の言葉を伝えることができるという。しかしそこに証拠能力はない。香月と翡翠は霊視と論理を組み合わせて事件を解決する」

ような話です。が、最終話で全部ひっくり返る。最初から出てくるシリアルキラーの正体は(あえてそういう書き方をしてわからせるようにしてる)三話の最後の方でわかるのですが、そこからがもう怒涛の展開。

もうこれ以上はネタバレになるのでかかないですが、帯についているミステリ作家さんたちの絶賛は本当でした。

私の最近のお気に入りの作家さんは青崎有吾さんもコメントだされてますが、ちょっと本作も青崎さんのような超本格論理ミステリ+面白い設定だと思います。

これはネタバレされる前に読んだ方がいいと思います。

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2019年12月17日 (火)

「螺旋の手術室」(知念実季人さん)を読んだ。さすがにお医者さんだけあって真相がすごい、、、ちょっと砂の器を思い出したり。

最初の手術シーンからおそらく本当にこんな感じでやられてるんだろうな、というリアルな描写で引き込まれます。

あらすじは「純正会医科大学付属病院の教授選候補だった、父、沢木真也准教授は同じく医師の息子、沢木裕也も加わっていた手術中に不可解な死を遂げる。さらに教授の座を巡って争っていた医師も暴漢により殺される。そして事情を嗅ぎまわっていた怪しい探偵もまた死亡していることが判明する。一体、これらの殺人に関連はあるのか?さらに犯人は???」

というもの。医療のシーンも興味深いですが、最後にどんでん返しというか意外な犯人ものになる真相が結構どきどきしながら読んでいた。

さらにこれは医者しか思いつかないような真相ですね。実はあんまり知念さん作品読んでない(仮面病棟くらいしか、、、)ので、これはもっと読んでいきたい。

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2019年12月 8日 (日)

「許されようとは思いません」(芦沢央さん)を読んだ。ちょっとしたことで歯車が狂って不幸へと落ちるイヤミス要素もありますが、どれも最後にどんでん返しがある5篇の短編集。

注文ミスを隠そうとしたことで破滅をむかえる「目撃者はいなかった」、孫を子役で大成させようとするが、最後でえ?そんな理由で?という「ありがとう、ばあば」、地獄変をモチーフにした「絵の中の男」、そして一番驚いた○○トリックがある「姉のように」、そして表題作「許されようとは思いません」、私もド田舎出身なので胃が痛い、、、がこれだけは最後に救いが。

芦沢さんすごく短編に向いているんじゃないだろうか。どんどん書いていってほしい。

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2019年12月 1日 (日)

高校事変IV(松岡圭祐さん)を読んだ。早くも4作目でもしかしたらそろそろ完了と思っていたら、全く逆の新展開に。

今回は韓国系半グレ集団との闘い。一作目の類似環境で、一作目で使った手が全て使えないとき、一体どうするのか?というお話。

今回は結衣の弟が出てきますが、スキー場に向かうバスが事故を起こし、生きのこった弟はバスの運転手を射殺したのち、自殺したとした思えない状況になっている。果たして結衣は弟の死の謎を解くことができるのか?も主眼(といってもこれはかなり早い段階で真相がわかる)。

で最初にも書いた半グレとの闘いですが、京都アニメーションでの痛ましい事件も取り入れられるという松岡さんらしい時事ネタが多い。

今回は十代の若者も遠慮なく殺しまくる、、、もう1作目から100人は余裕で殺してるよね、、、

そして最後。1作目からの真相が判明し、新展開に。

この2人は闘いあうのか、それとも、、、

続きが気になる。。。

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2019年11月25日 (月)

犯罪小説集(吉田修一さん)を読んだ。映画「楽園」原作。重い、、、本来なら犯罪を犯す必要のなかった人々がなにか歯車が狂って起こしてしまう悲劇。6本の短編集です。

 

カバーは映画楽園の広告ですが、

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それを取ると通常の表紙になります。

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映画は青田Y字路と万屋善次郎をミックスしたお話ということでした。

どれもすごく重くて救いがない、、、が人間の愚かさというか哀しさが描かれており引き込まれる。

青田Y字路は「あるY字路で1人の少女が行方不明になった。犯人も分からず10年、、、直前まで一緒にいた友達の紡は罪悪感を抱えたままだった。当初から疑われていた無職の豪士だったが、彼が犯人なのか?疑心暗鬼になった関係者たちの行動が起こす悲劇、、、」

とあらすじ。万屋善次郎は、うって変わって高齢の人ばかりが住む集落に1人、その中では若い善次郎が越してくる。最初はうまく行っていた村の関係だったが、お互いがいい方向に進めようとして歯車が狂い始める、、、

というもの。あと、あの製紙会社の御曹司のギャンブル狂いを下敷きにした話など、どれもこんなはずではなかったのに、という重いお話でした。でもお勧め。

 

 

 

2019年11月11日 (月)

暗くて静かでロックな娘(平山夢明さん)を読んだ。ものすごく嫌なシチュエーションと結末なのに文章の力で読み続けてしまう、、、

平山さんは本当に嫌な話を書くなあ。。。(褒め言葉ですよ、念のため)

表題作は、目と耳が不自由な美女と何の取柄もない男の純愛を描くが、結末が読んでてつらい、、、(というかほとんどの話がそんな感じ)

過去に人身事故を起こした男の話、悪口漫才が特に嫌な結末。幼児虐待のあの事件を思わせる(というかもう全く同じでは、、、予期していたのか、、、)お話とかも、、、

ただ救いのある話もあって(どれかはかかない)、そこはちょっとだけほっとする。

まあ体調がいいときに読んだ方がいい短編集でした。

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2019年11月10日 (日)

恋のゴンドラ(東野圭吾さん)を読んだ。心臓に悪いイヤミスならぬニアミス(という特別編も入っている)というかすでに衝突か、、、しかし世界が狭すぎる、、、

本当に世界が狭すぎるお話、、、まあ同じスノボが趣味で同じスキー場に行く年頃の男女はほとんど重なるということなのかもしれないが。

8話からなる短編集ですが、最初の2話の初めの方を読んだ時、ああ、独立したお話?と思ったら全然違って、全部つながっている(しかも最初に書いたように世界が狭すぎるほど登場人物がみんな関わっている)。

1話目のあらすじは、

「都内で働く広太は、合コンで知り合った桃美とスノボ旅行へ。ところがゴンドラに同乗してきた女性グループの1人は同棲中の婚約者だった。ゴーグルとマスクで顔を隠し、果たして山頂までバレずに済むのか、、、」という心臓に悪いお話から始まる、ゲレンデを舞台にした愛憎劇です。実は本当に誰にも感情移入できなかったという、、、でも面白いのは面白いですよ。

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2019年11月 4日 (月)

「Dの殺人事件、まことに恐ろしきは」(歌野晶午さん)を読んだ。江戸川乱歩の作品を現代(よりちょっと先)のテクノロジで新たにしたもの、、、だが歌野さんらしく本当にイヤーな結末ばかり(褒め言葉)

今一番好きな作家さん、歌野さんが江戸川乱歩の作品を題材にテクノロジーが発達した近未来を舞台に書いた短編集。

こういうのは、岡嶋二人さんとか当時最新鋭のテクノロジーで書くとあっと言う間に古くなりますが、これは

結末の嫌な感じが時代関係なく嫌だろうという、、、

一番衝撃の結末は冒頭の、「椅子?人間!」でした。心臓に悪い、、、

あと挿絵がスマホになった「スマホと旅する男」、表題作の「Dの殺人事件、まことに恐ろしきは」はもう少し先の技術を使ったものだがすぐにできるようになりそう、、、

その他、「お勢登場」を読んだ男、「赤い部屋はいかにリフォームされたか?」、「陰獣幻戯」、「人でなしの恋からはじまる物語」の全7話。

どれもすごい結末のお話でお勧めです。人が死ぬ小説に抵抗がなければ、、、

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