書籍・雑誌

2023年9月12日 (火)

ブックキーパー 脳男(上・下巻)を一気に読んだ。しかし鈴木一郎の影が薄い…新しく始まるシリーズの序章的な感じもするので仕方ない?その代わりに毎日コスプレ?を着替える若き女性警視 鵜飼縣が活躍。

脳男はすごく好きな作品で、特に前作の指し手の顔の後半、最後が衝撃だったり。

で待望の脳男の続編。一気に読んだ。

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あらすじは「警視庁で開発中の異常犯罪データベースによって遠く離れた場所で相次いだ3件の殺人事件にはすべて拷問の痕があると判明し、続いて愛宕市でも氷室財閥当主が犠牲者に。異常犯罪のエキスパートとして現地に急行した警察庁の若き女性警視・鵜飼縣は茶屋警部を従えて捜査にあたる。一方、同市の鞍掛署は秘かに謎の老人の行方を追っていたが、発見した途端に鈴木一郎=脳男が現れて妨害する。鞍掛署にはまた署をあげての交通事故隠蔽疑惑があり、真相を探ろうとした茶屋のかつての部下が殺される……。

鍵を握る「ブックキーパー」とは何者か? 残虐な連続殺人事件の真相とは? そして神出鬼没の脳男=鈴木一郎が戻ってきた理由とは?」

というもの。でも鈴木一郎がほとんど出てこない…超人的なところも最後の最後にしか出てこないのは残念。

ただ、ここから新シーズンが始まりそうなのでその序章的なものだと思うとそうかな、と。

代わりと言ってはなんですが、若き女性警視(警部でも警部補でもなく)、鵜飼縣が出てきます。毎日コスプレのように着替え、どうみても警視には見えないという。経歴も謎。そしてアガタさん単独ですでに単行本が出ていた。

また悪役も新しいのが出てきます(前作の方がひどい奴だった気も…まあ十分に悪いやつですが)。能判官という名字ですが現実にはいない?

アガタも読んでみたい。

 

2023年9月11日 (月)

「君に読ませたいミステリがあるんだ」(東川篤哉さん)を読んだ。鯉ヶ窪学園シリーズで、帯に「この”大仕掛け(トリック)”を見破れますか?」と読者への挑戦状がある。そしてその謎が…全然想像していたのと違ってましたがなるほど!と驚く。

東川さんの鯉ヶ窪学園シリーズは久々に読む。
あらすじは、

キュートな文芸部長がたくらむ“大仕掛け”を見破れますか?
ユーモアミステリの超快作!

ベストセラー『放課後はミステリーとともに』の鯉ケ窪学園に新ヒロイン登場! 
4月、新入生の僕は「第二文芸部」の部室に迷いこんでしまう。部長で学園一の美少女(自称)の水崎アンナは、自作のミステリを強引に僕に読ませるのだが――テンポの良い展開、冴え渡るユーモア、そして想像を超える大トリックに一気読み必至の傑作ユーモアミステリ!

というものですが、アンナが書いた(自分を極端に美化したのが主人公の探偵役の)ミステリ小説を僕に読ませるが、そのミステリは穴だらけで僕に突っ込まれていく。季節ごとにミステリを読まされる僕だが、そこにはその大仕掛けが…これ全然予想してなかったものでした。

なかなか面白かった。でもこれもう続編でようがないんだろうか(OGで、ならあるのかな?)。

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2023年9月 4日 (月)

アンデッドガール・マーダーファルス4(青崎有吾さん)を読んだ。今回は鴉夜・津軽・静句の過去篇で5編の短編集。特に鴉夜がなぜ不死になったかの経緯が…あの作品からか!でも清涼院流水さんの作品も思い出したり。実在の人物もでてきたり面白い。

テレビアニメ版のキャラクターのイメージが小説読んでイメージしていたのとかなりぴったりで、今作はそのイメージで読んだり。

3巻の続編かと思いきや、鴉夜たちの過去篇でした。どういういきさつで不死になったか、仲間と鬼殺しの活動をしていた津軽が半鬼になった経緯、静句の過去と一族が全滅し鴉夜が首だけになった経緯、そして1巻最初のお話のあとある有名人の依頼での最初の事件、そして法廷劇。

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どれも面白いですが、特に鴉夜の過去!

ネタバレしないようにですが、ある2種族の話が出てきて驚く…これか

どっちかというと清涼院流水さんのこれも思い出したり。

津軽の過去も壮絶で、静句の過去もなぜ鴉夜に仕えるのかがわかったり。

5巻の予告もあって、次は「秘薬」だそう。楽しみ。あと○○館の殺人シリーズもそろそろ…

 

2023年8月25日 (金)

修羅の家(我孫子武丸さん)を読んだ。解説にも書いてある現実に起こった事件を下敷きにしたお話ですが、もうおぞましい…目を背けたくなるような描写が続く。が我孫子さんらしくひっくり返る展開に、と思ったらまだその先が!いや読後はもうどよーんとする。

帯に「殺戮にいたる病」を凌ぐ衝撃作!とありますが、さすがにそこまでは(あれは本当に衝撃)。でもこれも十分衝撃的です。

あらすじは

女の毒が体内に入り、蝕まれていく--

簡易宿泊所で暮らす晴男はレイプ現場を中年女性・優子に目撃され、彼女の家につれていかれる。
そこには同じ格好をした十名ほどが「家族」として暮らしていた。
おぞましい儀式を経て一員となった晴男は、居住者は優子に虐待されていることを知る。
一方、区役所で働く北島は、中学時代の初恋相手だった愛香と再会し「家族」での窮状をきく。
北島は愛香を救い出す可能性を探るが、“悪魔”が立ちはだかる。

というもの。もうこれだけでおぞましい描写が多いことはもうわかる。

読んでてつらく…と思ったら我孫子さんらしく一回どんでん返し!

おお、これは!

と思ったらもう一つ先があってそっちの方がどよーん…

いや救いはあるとはいえ、これは…少しの希望と超多数の絶望の感じ。

似たような事件あったな、何だっけ、と思ったら解説に書いてくれています。

これは元気な時に読んだ方がいいです。

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2023年8月14日 (月)

火蛾(古泉 迦十さん)を読んだ。なんとメフィスト賞受賞から23年目の文庫化とのこと。イスラーム神秘主義+ミステリという今まで全く読んだことのない斬新な設定で面白かった。呪術廻戦の夜蛾学長の影響で文庫化、ではなく新作の崑崙奴も出るそうです。

これは本当に今まで読んだことのないお話で興味深かった。ノベルスがあまり売れなかったので文庫化されたなかったということですが、時代に先んじ過ぎていたのかもしれないと思った。今ならイスラームにもっと興味ある人が多いだろうし。

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あらすじは

12世紀の中東。
聖者たちの伝記録編纂を志す詩人のファリードは、伝説の聖者の教派につらなるという男を訪ねる。
男が語ったのは、アリーのという若き行者の《物語》──姿を顕さぬ導師と四人の修行者だけが住まう《山》の、
閉ざされた穹盧(きゅうろ)の中で起きた連続殺人だった!

というものですが、全く予想できない展開。もうネタバレしないように何も書かないですが、イスラーム神秘主義について全く知らない私でも興味深く読めた。新作が出たらまた読みたい。

 

2023年8月 9日 (水)

馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow(文庫版)を読んだ。森博嗣さんの新しいXXシリーズということで、過去作からの登場人物もいて、風来坊のもじりでしゃれてるな、とか思っていたらこれは…いや全然想像してなかった結末で驚く。探偵には解決できない事件という…

たまたま見つけて懐かしくなってすぐ購入。XXシリーズというそうです。S&Mシリーズはほとんど読んだし、その他もV,X,Gとかそこそこ読んでいたので登場人物が過去作に出てた人でなじみがある。

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あらすじは

探偵事務所への匿名の依頼は、あるホームレス青年の調査だった。

彼は穏やかで理知的な人物だが、社会に絶望していた。

調査の目的に疑問を感じながら、探偵が尾行を続けるうちに、
青年の知人の老ホームレスが急死し、遺品から彼の写真が見つかる。

それは依頼人から送られたのと同じものだった。

というもので、途中までは探偵がホームレスの青年の調査を行うが、なぜその調査依頼が来たのかについての謎解きがメイン。

それはまあ探偵が活躍するところ。

だが、、、そこからもうネタバレ防止で何も言えないが、探偵には何もできない事件に…。

名探偵の証明名探偵に薔薇を紅蓮館の殺人のように探偵が追い込まれる。

森博嗣さんがこういうのを書くのはかなり意外だったりした。

でもこのシリーズはかなり面白そうなので続けて読んでいきたい。

2023年8月 7日 (月)

数学セミナー8月号(1+2+3+…=-1/12)と数理科学8月号(微分形式で書く・考える)を買ってきた。カシミール効果とくりこみ理論およびゼータ関数が面白かったし、後者はアブラハム-ミンコフスキー論争が面白かった。ところで両方とも新井朝雄さんが執筆しているのがある。

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数学セミナー8月号は1+2+3+…=-1/12。解析接続ってすごいなと昔思った記憶が。

さらに、

1+2+3+…=-1/12を、物理の古典極限と繰り込みで出す? 

というのを見たが、それより最近は呪術廻戦の五条悟を思い出したり。

それとカシミール効果とくりこみ理論およびゼータ関数も上と似た話があって面白い。

数理科学の微分形式も、学生時代に微分形式で書くのかっこいいな、と思っていたが自分ではほとんど使ったことがないので勉強になる。

なかでも谷村省吾さんの微分形式と電磁気学 アブラハム-ミンコフスキー論争が面白かった。

これ昔から言われているけどどうなったか全然知らなかったので。なるほど微分形式で書くと見通しがよくなるのか。

2023年7月31日 (月)

夜の国のクーパー【新装版】(伊坂幸太郎さん)を読んだ。二度目だったが面白かった!ファンタジーだがミステリ度も高く、様々なトリックも組み込まれている。それに透明な兵士の正体がわかったときは涙…ファンタジーの中に1人普通の人がいるのも最初の登場からもうヒントが。

前と装丁が変わっていてあれ?伊坂さんの新作だったっけ?と思ったら一回読んでました。でもほぼ忘れていたので二度目読んでも面白かった!

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あらすじは

目を覚ますと見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。胸にはトムと名乗る灰色の猫が座り、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と言うものだから、驚きが頭を突き抜けた。「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きて」猫は摩訶不思議な隣国との戦争と「クーパー」について語り始める

というもの。

想像していた以上にいろんなトリックが盛り込まれていた、というのが最後の方でわかる。特にクーパーの兵士は透明になってピンチになったら助けに来てくれる、というのの真相は電車の中で読んでいたのに思わず涙ぐむ…

そして縛られていた男の真相も、ああ、だからか!最初がああなっていたのか!とうなる。

伊坂さんも

僕の小説の中では
もっとも本格ミステリー度が
高い自信作です。
今でいう特殊設定ミステリーなのでは?
と思ったりもします。――伊坂幸太郎

と言っていたそうなので納得。一度読んだ人ももう一度読むのをお勧めします。

 

2023年7月20日 (木)

「名探偵のはらわた」を読んだ。最初の方はコミカルなミステリもの?と思っていたら一転して驚く!ああ、作者の白井智之さん、あの「人間の顔は食べづらい」を書かれた方か!納得。

最初に実在の凶悪事件を基にした事件記録が複数書かれていて、これは何?と思っていたら

途中でびっくりする!最初に思っていたジャンルとまったく違った!でも面白かった!

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あらすじは

「亘くん、きみは真実を語るべきだ」農薬コーラ毒殺魔、局部切断女、そして恐怖の三十人殺し! 昭和史に残る極悪犯罪者たちが地獄の淵からよみがえり、現代日本で殺戮の限りを尽くす。空前絶後の惨劇に立ち上がった伝説の名探偵は、推理の力でこの悪夢を止められるのか? 「疑え――そして真実を見抜け」二度読み必至の鮮やかな伏線回収、緻密なロジックによる美しき多重解決。本格ミステリの神髄、ここにあり。 

というもの。いや本当に甦るとか驚きますよ。でもその突飛な発想+ロジカルな推理ものなのでこれは面白い。

この続編?の名探偵のいけにえの評判もすごくいい(2023本格ミステリベスト10、1位)ので続けて読んでみよう。

 

2023年7月10日 (月)

逆ソクラテス(伊坂幸太郎さん)を読んだ。帯通り、最高の読後感だ!子供たちを主役とした全て否定語がタイトルにつく5編の短編集。ピッコロ大魔王、オプティマスプライム、そしてドン・コルネオーレも最高。文庫版は伊坂さんのインタビューも乗っていてこれも興味深い。

これは本当によかった。さわやかな読後感で、なんか落ち込んでいても元気がでる。

表題作のあらすじは、

「敵は、先入観だよ」学力も運動もそこそこの小学6年生の僕は、転校生の安斎から突然ある作戦を持ちかけられる。カンニングから始まったその計画はクラスメイトや担任の先生を巻き込んで、予想外の結末を迎える。はたして逆転劇なるか?

というもの。

これは最後まで読んで、え!と思って最初から読み直すことになるだろう。直接書かないのがいいな。

そして残りも全て否定語がつく少年たちが主人公の短編。

「スロウではない」・・・ピッコロとドン・コルネオーレ!これは最後ぐっとくる。

「非オプティマス」・・・これはハラハラする…まさかと思ったら結末は…

「アンスポーツマンライク」・・・最近もこういう事件が多いのでなんか考えさせられる。

「非ワシントン」・・・まさか、、、そう繋がっているのか、、、というラスト。

そしてそれぞれの解説を伊坂さんが巻末でインタビュー形式でしてくれていてこれも興味深いです。

お勧め。

20230708-172634

 

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